2024年10月『決算特別委員会』質疑応答
県土整備部:福岡都市高速の整備状況について

 民主県政クラブ県議団の原中まさしです。発言通告に従い、「福岡高速道路の整備状況について」質問します。

 私たちが日常使用し、そして通称として呼んでいる「福岡都市高速道路」、いわゆる「都市高」ですが、正式な名称は「福岡高速道路」ということであります。したがって、以降は「福岡高速道路」で進めさせていただきます。

 はじめに、「福岡高速道路」の建設費償還についてお聞きします。

 「福岡高速道路」は、1980(昭和55)年10月20日に「福岡高速1号線」、現在の「香椎線」(香椎〜東浜間5.9km)が開通して今年で44年。来年は開通45周年となります。

 「福岡高速道路」は現在、福岡市、大野城市、太宰府市、粕屋町に道路網が及んでおり、総延長は約59.3kmとなっています。

 なお、2012年7月21日、「福岡高速」1号線、2号線の一部と5号線が連結した「環状線」が完成しましたが、この「福岡高速・環状線」は、東京都の首都高の「都心環状線」に次ぐ、全国で2番目の本格的(内回りと外回りの双方向通行が可能)な環状道路です。

 なお、この「環状線」の距離ですが、1周は約35kmで、東京の「山手線」と同じ距離です。

 そして、2021年3月27日には福岡高速1号線の香椎浜出入口付近とアイランドシティ(東区)を結ぶ「福岡高速6号線」、通称「アイランドシティ線」全長2・5キロが開通し、現在、令和3年度より着手している「福岡高速3号線」、通称「空港線」の延伸事業を実施中です。

Q1:そこでお聞きします。
 まず、「福岡高速道路」の現在供用済みである「福岡高速1号線」から「アイランドシティ線」までの総事業費をお答えください。
 また、3号線「空港線」の「福岡空港国内線ターミナル」延伸事業の事業費についても、併せてお答えください。

【執行部答弁】

  • 昭和55年10月に開通した「香椎〜東浜間」から、令和3年3月に開通した「アイランドシティ線」までの事業費の総額は、約8,871億円
  • また、令和3年7月から着手している「空港線」延伸事業の事業費は、約533億円を見込んでいる。

 有料道路制度は、地方自治体からの出資金と国や民間からの借入金などにより道路を建設し、その建設にかかる資金「事業費」を、利用者からの料金収入により、定められた期間内に償還を完了させる制度となっています。

 先ほど、「アイランドシティ線」開通までには、多額の事業費がかかったことを答弁いただきました。

Q2:そこでお聞きします。
 「福岡高速道路」の事業費について、「アイランドシティ線』開通までの福岡県、福岡市の出資金、国や民間からの借入金の額はどうなっているのか、お聞きします。
 また、「アイランドシティ線」開通までにかかった事業費に対する償還完了の時期はどのようになっているのか、お答えください。

【執行部答弁】

  • 出資金の額は、福岡県、福岡市共に約836億円
  • 国や民間からの借入金の額は、約7,174億円
  • 現在の償還計画では、「アイランドシティ線」の開通までにかかった事業費の償還は、令和27年7月の完了を見込んでいる。

 事業費の償還にあたっては、毎年度の収入と費用の差である「収支差」を充当する形となっています。この毎年度の「収支差」は、いわゆる収入と費用の差であり、これは収益といえると思いますが、この年度ごとの収益を投下資金、すなわち借入金に充当する形となっています。

 「福岡高速道路」の「収支差」は、コロナ禍の3年間の交通量減少により、料金収入が大幅に減っているのではないでしょうか。

Q3:そこでお聞きします。
 コロナ禍以降の「収支差は」どうなっているのか、お示しください。 次に、令和5年度末までの償還状況をお示しください。
 そのうえで、現在事業中の「空港線」が開通した後、償還計画はどのように変わるのか、また、併せて、償還完了後の「福岡高速道路」の管理についてお示しください。

【執行部答弁】

  • 交通量と料金収入は、和2年度には、新型コロナウィルス感染拡大防止の緊急事態宣言などの影響により減少したが、令和4年度にはコロナ禍前の水準に回復しており、収支差についても持ち直している。
  • 令和5年度末までの償還は、計画に対して、103.5%となっており、計画以上に償還が進んでいる。
  • 現在事業中である「空港線」が開通した後の償還計画については、供用開始時点で改めて定めることとなるが、「空港線」の事業費も償還の対象に加わることから、償還期間は延びることが想定される。
  • 「福岡高速道路」の管理については、現行法令上、有料道路は償還が完了すれば、本来の道路管理者に移管される制度となっており、「福岡高速道路」についても、本来の道路管理者である福岡市に移管されることとなる。

 次は、「福岡高速道路の通行状況について」お尋ねします。
 
 コロナが5類移行後、人々の日常生活が戻ってきて、それに伴い、人の移動もコロナ禍前の水準に戻りつつあります。それに伴い、高速道路や各地方道路での渋滞や混雑も多くなっています。
 
 ちなみに、「福岡・北九州高速道路公社」では、「渋滞」の定義を、

  • 走行速度が20km/h以下
  • 継続距離が500m以上
  • 継続時間が30分以上

 としているとのことです。

 そこで「福岡高速道路」の通行状況についてお聞きします。

 質問に先立ち、あらかじめ執行部の方に「福岡高速道路の渋滞発生状況について」の資料を要求していますので、委員長、お取り計らいをお願いします。

(資料配布)

Q4:それではまず、資料の説明を、簡潔にお願いします。

【執行部資料説明】

  • 資料は福岡北九州高速道路公社のホームページに掲載されているもの
  • 「福岡高速道路」における、令和5年度の主な渋滞発生箇所を示しており、渋滞区間及び、平日・土日祝日別の渋滞発生時間帯を記載している。
      • 渋滞は、主に平日の朝及び夕方の通勤時間帯に発生しており、一部区間では土日祝日にも渋滞が発生している。

 この資料を見ると、特に、「香椎線」と「粕屋線」の交わる貝塚ジャンクション周辺。月隈ジャンクションから半道橋(はんみちばし)、「香椎線」と「環状線」が交わる千鳥橋ジャンクション周辺が渋滞の激しい個所となっています。

Q5:そこでお聞きします。
 これらの箇所において、渋滞が激しく発生する要因について、お答えください。
 併せて、渋滞緩和に向けた対策をお示しください。

【執行部答弁】

  • 渋滞の要因として、ジャンクション付近では、各方向からの交通が集中することで、分流、合流のための車線変更により車両が輻輳し、速度低下が起きることなどが考えられる。
  • 公社からは、引き続き渋滞発生の要因分析を進め、渋滞緩和対策についても、適切な対策を講じるよう努めていくと、聞いている。

 これまで道路建設課長の答弁を頂きました。

 それでは最後に、県土整備部長にお聞きします。

Q6:福岡都市圏の基幹道路となる「福岡高速道路」ですが、これからの事故防止などの安全対策、そして利用者の利便性の向上に向けた取り組みについて、部長の考えをお聞かせください。

【部長答弁】

  • 「福岡高速道路」は、九州自動車道や西九州自動車道と連結し、福岡都市圏の内外における人やモノの流れ、地域の連携を支える大変重要な道路であり、福岡県ひいては九州にとっても、重要かつ必要不可欠な交通ネットワークである。
  • 県としては、福岡北九州高速道路公社の設立団体の一員として、公社が「福岡高速道路の安全かつ円滑なネットワークを運営する」という目的を果たせるよう、適切な助言や協力を行ってまいる。