2023年9月『9月県議会』一般質問
新県立美術館建設に伴う周辺環境の整備について

 2点目の項目は、「新県立美術館建設に伴う周辺環境の整備について」です。

 福岡県「新県立美術館」については、2029年度中の開館を目指し、今後、建設が進められます。そこで今回、福岡県の「新県立美術館」の建設場所に選定されている県営「大濠公園」南側の環境整備について質問します。


 旧福岡城址の大堀ですが、1925年、大正14年の「2月県議会」において、「西公園」の付属公園として大堀を整備する事が決定しました。


 このときの工事費については、大堀の西側を3万坪埋め立て、宅地化し、いまの大濠1丁目・2丁目ですが、ここを県が払い下げることで捻出しています。

 
 併せて、この埋め立て地を利用し、大濠で最初に行われた第1回博覧会となる「東亜勧業博覧会」が1927年に開催されています。
 
 このようにして、1929年、昭和4年3月、県営「大濠公園」が開園しました。以来、「大濠公園」は県民、市民の憩いの場所としてのみならず、毎年、国内外を問わず、多くの観光客が訪れる、まさに本県が誇る世界に冠たる公園として名を馳せています。

 この「大濠公園」の南側、現在の「福岡武道館」を更地にし、そこに「新県立美術館」を建設するとなっていますが、すぐ東隣には「日本庭園」があり、「福岡市美術館」、そして「舞鶴公園」へとつながる絶好の散策コースでもあります。

 
 そして、この「福岡武道館」の「国体道路」を挟んで南側には「NHK福岡放送局」、「福岡県護国神社」、文武両道でも名高い「私立大濠高校」があります。ちなみに、福岡県出身の初代内閣総理大臣・広田弘毅の像も公園南側入口の脇に建っており、郷土史愛好家の探索スポットとなっています。

 更に、この「国体道路」から南側は六本松エリアになり、「九州大学六本松キャンパス跡地」の再開発で活況を帯びている「ROPPONMATSU421」、「護国神社」の「蚤の市」、そして福岡市営地下鉄「七隈線」の延伸と相まって、六本松という街のブランド化が進み、このエリアは新たな観光スポットとして大変な賑わいを見せ、休日の人出は年々増加しています。近年、観光パンフやスマホを片手に散策する外国人観光客も数多く見られます。

 
 しかし、残念なことに、市営地下鉄「六本松駅」周辺、そしてこの六本松エリアから「大濠公園」、「日本庭園」そして「舞鶴公園」へといざなう多言語の案内は地下鉄構内や西鉄バス停に表示がある程度です。「六本松駅」からわずか10分ほど歩けば「大濠公園」や「日本庭園」に行けるのに、残念至極です。

Q1:そこで知事にお聞きします。

 福岡県「新県立美術館」の南側、「国体道路」側や六本松エリアからの回遊性の向上をどのように考えておられるのかお聞きします。
 
【服部知事 答弁】

  • 一昨年度に策定した「新福岡県立美術館基本計画」では、国体道路側に新たな人の流れを生み出すことや、県営大濠公園と六本松エリアをつなぐことなどを施設整備のコンセプトとしている。
    • 昨年度実施したプロポーザルでは、この基本計画を踏まえ、美術館の建物を南北に貫通し敷地内を通り抜けできる「アーバンスリット」や、建物の中央に新たな芸術表現や活動を誘発する吹き抜け空間「メディアボイド」などを提案した、隈研吾建築都市設計事務所を設計者に選定した。
    • この提案を具体化した美術館ができることにより、広大な大濠公園、そして隣接する日本庭園の双方に調和した新しい風景が生まれ、福岡県の魅力がさらに高まり、芸術に関心がある方はもとより国内外の多くの方々が訪れることを期待している。
    • 今年度は、令和11年度中の開館を目指し基本設計を進めているところである。
  • また、回遊性の向上については、県と福岡市が策定した「セントラルパーク基本計画」に基づき、大濠公園と市営舞鶴公園で統一したデザインで多言語表示や施設のホームページが閲覧できるようQRコードを記載した案内看板の整備を行い、能楽堂や日本庭園、福岡城跡や鴻臚館跡等の案内に努めている。
    • 今後は、新県立美術館の開館に向け、六本松エリアから新県立美術館への回遊性を促進する方策について関係機関と協議の上、検討してまいる。