福岡県議会「民主県政クラブ県議団」管外視察

[日程]2023年7月24日~26日
 
1.福岡県議会「民主県政クラブ県議団」の管外視察初日、1ヵ所目は新宿区でした。

 多文化共生社会づくりを推進するため、新宿区の4ヵ所を視察、研修しました。

 ①新大久保商店街徒歩視察
 ②同商店街振興会のヒアリングと意見交換会
 ③「新宿多文化共生プラザ」施設視察
 ④新宿区地域振興部多文化共生推進課のヒアリングと意見交換会

 新宿区の人口は約35万人、そのうち定住外国人は約4万1千人で、人口の約11%を占めています。なお、東京都全体では60万人に上ります。

 新宿区内の定住外国人は、学生、商店事業主、労働者、配偶者・家族など、定住要因は様々ですが、国籍はなんと130ヵ国に上っています。
 
 ちなみに、福岡市は人口160万人で、定住外国人は約4万人です。
 
 日本は人口減少時代に入っています。社会の活力を維持するためには、外国人・労働者の受け入れは必須です。
 
 日本人と定住外国人との共生のため、その先駆けとして東京都、そして新宿区は様々な取り組みを進めています。新宿区は、大変勉強になる視察先です。

新大久保商店街振興会 会長

新宿区地域振興部多文化共生推進課 課長

「新宿多文化共生プラザ」

施設掲示板

会派視察団

2.福岡県議会「民主県政クラブ県議団」管外視察2日目、1ヶ所目は茨城県笠間市「旧笠間市立東小学校廃校活用プロジェクト」でした。
 
 児童数減により廃校となった笠間市の小学校舎を、文部科学省「廃校施設有効活用プロジェクト」の一環として「株式会社 メニコン」が施設委託を受け、2022年10月に「飼い主と愛犬のための施設『&HAUS(アンド・ハウス)』」を開所しています。
 
 『&HAUS』は、「シェルターメディスン」の考えに基づいた施設で、犬の飼主が、病気、老齢、災害罹災、海外赴任などで愛犬と暮らせなくなった場合に、愛犬たちの生活環境を保障、提供します。
 
 『&HAUS』は、飼主の想いを汲み、新しい家族との出会いをサポートするとともに、1頭でも不幸な犬を減らすため啓発・保護活動など、様々な動物福祉活動を行なっています。
 
 施設には、屋外・屋内ドッグラン、ショートステイ、飼主の相談窓口のほか、カフェも併設し、利用しやすいサービスが行われています。
 
 利用者は、「犬のみらい保障」+「体験型サブスク」のコース(月額8,690円)を選択すれば、上記のサービスを受けることができます。飼主の万一の時を考えたサービスとなっています。
 
 廃校となった学校校舎の活用として、注目すべきプロジェクトです。

廃校となった笠間市の小学校舎を活用

文部科学省「廃校施設有効活用プロジェクト」

文部科学省「廃校施設有効活用プロジェクト」の概要

3.福岡県議会「民主県政クラブ県議団」管外視察2日目、2カ所目の視察先は茨城県 笠間市「旧笠間市立東中学校廃校活用プロジェクト」です。
 
 児童数減少により、2015年4月に廃校となった笠間市中学校の校舎の有効活用のため、2021年6月に笠間市と「株式会社 茨城県民球団」とが協定を締結、「市民の健康とスポーツ」、「地域福祉」、「レジャー」の3つの柱をコンセプトに、同校舎の活用を図っています。
 
 受託した「茨城県民球団」は『茨城アストロプラネッツ』という地域球団を擁し、球団運営を務めるとともに、市民との交流を深め、健康やスポーツ意識の向上に努めています。
 
 また、併設する『株式会社 アドバンフォース』は、「あすとろファームかさま」と「あすとろファームいばらき」の2カ所の農地を使い、農業事業、飲食事業を展開しています。
 
 特に、収穫した栗、芋を材料としたスイーツは絶品で、モンブランは主力商品となっています。
 
 そして、地域福祉の分野では、『株式会社 茨城プラネッツ福祉センター』を開所し、障害者の就労継続支援A型事業所・放課後デイサービスを運営しています。
 
 前述の農業・飲食事業には福祉事業所の利用者が携わっており、まさに〝農福連携〟を実践しています。ちなみに、利用者の賃金は8万円/月前後という事です。
 
 体育館は屋内スポーツ施設となっており、野球の練習、フットサルにも利用できます。廃校活用プロジェクトとして新たな活用を提案しています。

校舎玄関

旧校舎と現在の施設状況

「株式会社 茨城県民球団」スタッフ

アドバンフォースグループの歩み

笠間市中学校廃校後の校舎の有効活用

地域スポーツとの連携

地域スポーツとの連携

4.福岡県議会「民主県政クラブ県議団」管外視察2日目、3カ所目の視察先は「国土交通省関東地方整備局江戸川河川事務所『首都圏外郭放水路』」(埼玉県春日部市)。
 
 会派管外視察2日目、3ヶ所目の視察は、「国土交通省関東地方整備局江戸川河川事務所『首都圏外郭放水路』」(埼玉県春日部市)でした。  この施設は、13年間、総額2,300億円超の歳月と予算をかけ、2006年6月に完成しました。
 
 利根川水系のうち、倉松川、大落古利根川など中小河川の洪水を地下に取り込み、地底50mを貫く総延長6.3kmのトンネルを通じて江戸川に流す、世界最大級の地下放水路です。
 
 最終地点の「調圧水槽」に集まった河川水は、最大50t/秒の能力の排水ポンプで江戸川に排水されます。これにより、利根川水系4県、1,200万人の生命と生活を守っています。
 
 この「調圧水槽」は、平時はインフラツーリズムとして一般解放(有料)されており、一本(2m×7m×18m)500tの柱が59本林立する様子は、まるで〝地下神殿〟です。海外からも多くの観光客が押し寄せる人気スポットとなっています。

江戸川河川事務所

利根川水系の洪水の歴史

放水路の概要

所員の説明

立坑入口

調圧水槽

第一立坑

5.福岡県議会「民主県政クラブ県議団」管外視察3日目、1カ所目の視察先は東京都豊島区社会実証モビリティバス「mobi(モビ)」でした。
 
 最終日3日目の視察先、1ヶ所目は東京都豊島区で展開されている社会実証モビリティバス「mobi(モビ)」でした。
 
 「mobi」は、Community Mobilityの略で、AIを使って利用者を最適に目的地まで送ります。コンセプトは〝呼べば来る、エリア定額乗り放題〟です。
 
 ひと月5,000円で契約(家族割あり)を結べば、エリア内を乗り放題できる交通システムです。なお、月契約を結ばず、1回だけの利用の場合は、大人(12歳以上)300円、子ども(6歳以上12歳未満、6歳未満は2人まで無料)150円で利用できます。
 
 アプリや電話でmobiを呼ぶと、指定の停留所まで迎えに来てくれ、最適なルートで目的地(の停留所)まで送ってくれます。
 
 運行は、月曜から日曜、07:00~22:00。
 高齢者の買い物や通院、子育て世代の買い物、子どもたちの通学や習い事の送迎、通勤など、幅広いニーズに応えるモビリティバスです。
 
 このサービスは、運行は「株式会社エコリムジン東京」、アプリサービスは「community mobility株式会社」が提供しています。
 
 なお、運行にあたっては「株式会社エコリムジン東京」が『道路運送法21条』の許可のもとで運行しています。

mobiパンフ

mobiアプリ

株式会社エコリムジン東京 説明

モビリティバス

6.福岡県議会「民主県政クラブ県議団」管外視察3日目、最後の視察先は「KDDI」。
 
 福岡県議会「民主県政クラブ県議団」管外視察3日目、最終日最後の視察先は「KDDI」でした。
 
 「KDDI」は、2022年1月に連結子会社である「KDDIスマートドローン株式会社」を設立、これまでのKDDIドローン事業を承継しています。
 
 スマートドローンとは、ドローンとモバイル通信とを組み合わせた事業で、遠隔操作により、人に代わり荷物を運んだり、災害時における状況のリアルタイム把握。建設、インフラにおける点検・監視・測量。更には、水空両用の監視、農薬散布など、陸・空・水海中での活用が期待されています。
 
 「レベル4飛行解禁」により、これまで目視でしかドローン運行できなかったところでも、4GLTEネットワークと運行管理システムを介し、目視外自立飛行と遠隔監視制御を実現することが出来ます。
 
 ドローンの性能は大きく改善され、衛星通信網を使って活躍の場は飛躍的に広がっています。少子高齢化、労働力不足、働き方改革、労働安全衛生など、これからの時代のニーズにマッチするのがスマートドローン事業と言えます。まさに伸びしろの大きい分野です。
 
 人を乗せて飛ぶドローンが解禁されるのも、近い将来ですね。

KDDIスタッフ

ドローンを活用した社会実験