2019年「5月臨時議会」~2020年「4月臨時議会」

1.2019(令和元)年『5月臨時議会』報告

(1)概要
『5月臨時議会』は、①議席指定、②会期決定、③議長・副議長辞職の件、④議長・副議長選出、⑤今後の議会運営について、でした。
 
当日、議長・副議長の選挙が行われ、以下のとおり議長・副議長が選任されました。なお、会派から副議長選出は6期連続となりました。

   第69代議長 :栗原 渉  (自民、朝倉市)
   第81代副議長:原中 誠志 (民主、福岡市中央区)

2.2019(令和元)年『6月県議会』報告

(1)概要
6月13日から開かれた6月県議会は、予算20件、条例12件、専決処分3件、契約2件、その他3件、人事3件の計43案件が可決・承認され、7月12日に閉会しました。
 
民主県政クラブ県議団は岩元一儀議員が代表質問を行い、一般質問には9人が立ちました。

わが会派の代表質問の概要と一般質問、本議会の特徴は以下の通りです。
 
(2)代表質問
一.県政推進の基本姿勢について
1.本年度一般会計予算案について
① 財政改革プランにおける通常債残高の圧縮目標について
② 経常収支比率について
③ 本県及び県内市町村における臨時財政対策債の状況とその累増に対する認識について
 
【小川知事答弁】
① 令和元年度末の通常債残高見込みは、豪雨災害復旧・復興対策などのやむを得ない要因を除くと、プラン策定時の目標を上回る568億円を圧縮できた。今後も、豪雨災害の復旧・復興にしっかり取り組むとともに、プランに沿って財政の健全化を着実に進めることによって、通常債残高の圧縮に取り組んでまいる。

② 平成29年度における本県の経常収支比率は、96.8%であり、前年度と比べ1.6%改善している。現在、財政改革プランに沿って、人件費の抑制、社会保障費の増加の抑制、建設事業の重点化による将来の公債費の抑制といった歳出削減を進めており、併せて、地域経済の活性化と魅力ある雇用の創出などの施策に取り組むことにより税源の涵養を図っている。こうした取組みを続けることにより、経常収支比率の改善に努めてまいる。

③ 臨時財政対策債の平成29年度末残高は、本県では、1兆3,001億円、県内市町村の合計では1兆776億円となっている。累増する臨時財政対策債については、極めて厳しい地方財政の現状を踏まえ、地方交付税の法定率の引上げを含めた抜本的な改革等を行うべきであり、臨時財政対策債に頼らず、償還財源を確実に確保することが重要であると認識しており、国に対し全国知事会等を通じ、引き続き要請してまいる。
 
2.選挙公約に基づく知事の基本姿勢について
① 知事選挙で用いた「県民第一の福岡県」という表現について
② 総合計画における「元気」「温かみ」「安定」と公約に掲げた「人の元気」と「地域の元気」の関係について
 
【小川知事答弁】
① 知事就任以来、「県民幸福度日本一」の福岡県という目標を掲げ、県民生活の「安定」「安全」「安心」の向上に全力で取り組んできた。これは、三期目の県政を担うに当たっても変わるものではない。その上で、「県民第一の福岡県」という表現は、これからも県民の皆さまのこと、皆さまの思いを第一に県政を推進していくという私の政治姿勢を、県民の皆さまに改めて示すために用いたものである。

② 「県民が『元気』『温かみ』『安定』を感じられる施策の推進」は、総合計画に掲げる施策の体系をわかりやすく整理したものであり、今後も、この考え方に沿って施策を展開してまいる。一方、「人の元気」と「地域の元気」という表現は、少子高齢化、人口減少という大きな課題に立ち向かい、地方創生を推進していく私自身の決意を県民の皆さまにわかりやすくお伝えするために用いたものである。
 
3.「平成29年7月九州北部豪雨」への支援について
① 特定非常災害の指定について
② 支援の「バランス」や「公平性」について
③ 仮設住宅の入居期限の延長に係る国への要望について
④ 仮設住宅の入居期限の延長について
 
【小川知事答弁】
① 特定非常災害特別措置法は、極めて大規模、かつ、まれに見る災害が発生した場合に被災者の権利・利益の保全などを定めたものである。一方で、応急仮設住宅の供与は、災害救助法で定めているにも関わらず、その延長は、特定非常災害特別措置法の指定を受けなければならない。被災者の立場に立って現行制度を見直すためには、災害救助法の弾力的な運用を行うことが必要であると考えており、全国知事会において、被災者の迅速かつ効果的な救助を行うため、仮設住宅の供与期間、災害ボランティアの食費などの資金使途の制約の撤廃等について、自治体の自主的・弾力的な運用が可能となるよう、災害救助法の見直しを要望している。

② 「バランス」や「公平性」とは、行政としては、同じ災害に遭った方々に対しては同じような支援を行うという役割、使命があるという意味。今まで、被災者お一人お一人のご意向をきめ細かに確認し、その方の状況に応じた住宅再建ができるようご支援してきたところであるが、具体的な再建の目処が立っていない方についても、引き続き、支援策の活用を働きかけながら、最後までしっかりご支援してまいる。

③ 特定非常災害の指定を受けていない場合であっても、災害救助法施行令に定めのある内閣総理大臣への協議ができるかどうか確認したところ、「協議しても、建築基準法による仮設住宅の存続期間の特例措置を定めた、特定非常災害特別措置法に基づく特定非常災害の指定を受なければ、仮設住宅が建築基準法違反の建築物となるため、同意することはできない」との回答であった。こうしたことから、災害救助法による延長は困難であると考え、国に要望したことはない。

④ 福岡西方沖地震の際と異なり、災害公営住宅が仮設住宅の入居期限内に完成予定であることに加え、民間賃貸住宅や公営住宅の供給数が一定程度ある。いまだ再建の目処が立っていらっしゃらない方々に対しては、被災者お一人お一人の状況に応じた住宅再建ができるよう、朝倉市と一緒になって、今の支援策を最大限活用していただきながら、再建の道筋がつくよう一生懸命やってまいる。一方で今までに再建された方との公平性も考慮しなければならないことから、朝倉市とも協議しながら、今後の対応については総合的に判断してまいる。
 
4.女性活躍推進県について
① 「女性活躍先進県」に込めた想いと具体的取組みについて
② 女性職員の管理職登用に係る目標の設定について
 
【小川知事答弁】
① 福岡県の人口構成を見ると、全国では50代から女性が男性の数を上回っているが、本県では20代から上回っている。また、県内企業の約7社に1社は女性の社長で、その割合は全国第3位となっている。まさに、女性の活躍が「本県発展の鍵」を握っており、社会のあらゆる分野で、女性がそれぞれの個性と能力を最大限に発揮し、いきいきと活躍する「女性活躍先進県」を目指したいと考えている。具体的には、企業や市町村における女性管理職の登用や、働きやすい職場づくり、子育て応援宣言企業の登録拡大、子育て女性の就職支援などに取り組んできた。今年度は、さらに、女性の活躍の場をさらに広げるため、農林漁業の就業間もない女性を対象とする「キャリアプラン作成講座」の開催、建設業の女性従業員自らが行う職場のイメージアップや環境の改善への支援を行う。今後とも、職業生活や地域・社会活動におけるあらゆる分野で、女性がいきいきと活躍する福岡県の実現に向け、全力で取り組んでいく。

② 現行の目標は、私が知事になる前の3.7%を15%に引き上げるものであり、現在の国の目標値7%や都道府県の平均目標値12.6%を大きく上回るものである。まずは、この目標を来年度末までに達成すべく、しっかり取り組んでまいる。その上で、これまでの取組みについて検証を行い、来年度中に策定予定の次期計画の中で、本県の実態に即した、新しい数値目標を設定したいと考えている。
 
5.宿泊税をめぐる北九州市への対応について
【小川知事答弁】
北九州市が宿泊税の導入を決定される場合には、宿泊者や特別徴収義務者となる宿泊事業者の負担軽減を図る必要がある。このため、北九州市内における県と市の役割分担を踏まえた税額調整及び徴収の一本化等について、福岡市と同様に協議を行う必要があると考える。
 
一、私立高校における働き方改革の推進について
① 私立高校における労働基準法の遵守状況に対する認識と対応について
② 私立高校における労働契約法の無期転換ルールへの対応について
 
【小川知事答弁】
① 労働基準法が遵守されていない私立高校があることは、遺憾である。このため、労働契約の際、書面を交付していなかった4校に対し、個別指導を行った結果、現在では全てが書面を交付している。また、本年3月と5月に、県内全ての私立高校に対し、労働基準法を遵守するよう、通知するとともに、私学団体の総会においても要請を行った。三六協定の締結が未定の私立高校が教員については16校、事務職員については8校残っているが、これらについても、全て協定が締結されるよう、引き続き指導してまいる。

② 県では、無期転換となるのを避けるための「雇止め」が懸念されることから、これまでも福岡労働局と連携して、県内の各私立高校に対し、無期転換ルールについて周知してきたところである。今後も、私学団体の会議や校長・事務長を対象とした研修会等において、無期転換ルールを定めた労働契約法の趣旨を周知してまいる。
 
一.中高年のひきこもり問題について
① 「8050問題」に対する認識とひきこもり問題に対する相談体制について
② 本県独自の実態調査の実施について
 
【小川知事答弁】
① 中高年のひきこもりの子をもつ親の高齢化に伴い、親子ともに社会的に孤立し、経済的に困窮する事例が増えており、「8050問題」は重要な課題の一つと認識している。県では、「福岡県ひきこもり地域支援センター」において、精神保健福祉士等の相談員が、本人や家族からの相談に応じるほか、県内の保健福祉事務所においても、保健師が相談に応じている。カウンセリングを充実し、きめ細かな相談支援を行うため、昨年、臨床心理士を1名増員し、4名体制にした。県としては、ひきこもりの悩みを抱える本人と家族が地域社会から孤立することがないよう、ひきこもり地域支援センターなどの相談窓口の周知に努め、きめ細かな相談支援を行ってまいる。

② 福岡県ひきこもり地域支援センターでは、平成22年の開設以降、約1万件に上る相談の実績がある。これまで、その内容を分析し、ひきこもりの方や家族のニーズに合った支援に活用してきたところであり、併せて、民生委員等の情報も活用しながら、必要に応じて訪問支援も行ってきている。県としては、今後とも、きめ細かく対応することで、支援の実効性を高めてまいる。
 
一.日田彦山線復旧について
① 日田彦山線復旧に対する基本的認識について
② JR九州の姿勢について
③ 沿線自治体への説明について
 
【小川知事答弁】
① 昨年4月、本県、大分県、沿線市町村、JR九州による「日田彦山線復旧会議」を設置し、鉄道での復旧に向けた協議を行ってきたところであり、私としては、鉄道での復旧が望ましいという考え方は変わっていない。

② JR九州社長からは、「我々としては、地域に適したネットワークをきちんと残していくことが使命である」との認識も表明された。県としては、JR九州には、公共交通を担う事業者としての使命感を持って、交通ネットワークの維持の責務を果たしていただきたいと考えている。

③ これまでの経緯も踏まえ、今後、地域の皆さんのご意見を伺った上で、どういう方策が望ましいのか、沿線自治体と共に考え、解決に向けて取り組んでまいる。
 
一、児童虐待問題について
① 情報共有を行った児童生徒が在籍する学校を管轄する市町村教育委員会への指導につい
 
【教育長答弁】
① 関係機関との具体的な連携強化について(警察本部長答弁)
② 児童福祉司の配置について
 
【小川知事答弁】
① 児童虐待防止法が施行された平成12年度からこれまでに、県内6つの児童相談所の児童福祉司について、29名から78名と大幅に増員し、その体制強化を図ってきた。今回の児童福祉法施行令改正により示された配置基準によると、13名の児童福祉司の増員が必要となる。また、虐待件数に応じた加算等で、さらなる増員が必要となる。この配置基準を踏まえ、経過措置の期限である令和4年度までに、計画的に児童福祉司を増員してまいる。
 
【教育長答弁】
① 市町村や児童相談所等と情報共有を行った児童生徒については、当該教育委員会及び学校において、引き続き関係機関と必要な情報を共有するよう指導している。さらに、面会できず情報共有もしなかった児童生徒については、当該教育委員会に対して、情報共有しなかった理由を確認し、客観的に虐待の可能性が否定できないと考えられる場合は、関係機関との情報共有を行うよう促したところである。また、面会できないままの児童生徒については、必ず児童相談所又は警察に情報共有するよう指導している。
 
【警察本部長答弁】
① 子供の泣き声など、児童虐待が疑われる情報を認知した場合には、可及的速やかに、警察職員が、現場に臨場し、児童の状況を直接確認するとともに、児童や保護者等から事情を聴取することとしている。警察としては、組織としての的確な対応を徹底するとともに、児童相談所をはじめとする関係機関との連携により、児童の安全確保に取り組んでいく。
 
(3)一般質問(6月15日~18日)
 〇 6月24日(月) 
 ・佐々木 允議員(田川市)                
  ① 田川地域の振興について
  ② 本県使用料及手数料等の支払い手段多様化について  など

 ・中嶋 玲子 議員(朝倉市・朝倉郡)            
  ① 九州北部豪雨被災者に対する生活再建支援について  など

 ・大橋 克己 議員(大牟田市)               
  ① 頻発する高齢者の交通事故を受けての本県の対応について

 〇 6月25日(火) 
 ・後藤 香織 議員(福岡市早良区)              
  ① 政治分野における男女共同参画の推進について    など

 ・山本 耕一 議員(北九州市若松区)               
  ① 福岡県の防災に関するソフト対策について      など

 〇 6月26日(水) 
 ・新井 富美子 議員(久留米市)               
  ① 福岡県の性犯罪・性暴力の現状について
   1)福岡県性暴力根絶条例の全面施行に向けた取組み   など

 ・冨永 芳行 議員(糟屋郡)             
  ① ラグビーワールドカップ成功に向けての本県の取り組みについて  など

 〇 6月27日(木) 
 ・渡辺 美穂 議員(太宰府市)               
  ① 令和に係る諸課題について
   1)交付税及び補助金関係
   2)観光施策関係
   3)文化財の活用

 〇 6月27日(木) 
 ・仁戸田 元氣 議員(福岡市西区)               
  ① 自動車関連産業について
  ② 高齢者に優しい自動車開発について

3.2019(令和元)年『9月県議会』報告

(1)概要
2019年『9月定例県議会』は、9月12日に開会、10月16日までの35日間の会期でした。

代表質問、一般質問、常任委員会を経て10月1日の本会議では、補正予算議案、人事議案、条例議案など21議案が可決されました。その後、決算特別委員会での審議を行い、最終10月16日には決算関連議案、意見書採択など21議案が採決され、最終的に42議案が可決、閉会しました。

民主・県政クラブ県議団の代表質問者の登壇者は、守谷正人議員で、県政の基本姿勢について九州北部豪雨をはじめとする災害復旧、地方創生交付金の課題、女性活躍先進県に係る男性の育児休暇取得など5項目、九州歯科大学附属病院における無給医問題など広く県政問題について知事、教育長、警察本部長に質問を行いました。

一般質問は、後藤香織議員をはじめ8名の議員が質問に立ちました。

決算特別委員会は、当会派から8名の議員が委員となり、このうち堤かなめ委員が特別委員会の副委員長に就任、守谷正人委員が委員会の理事として審議がなされたところです。
代表質問の概要は次のとおりです。
 
(2)代表質問 
一.県政推進の基本姿勢について
1.北部豪雨をはじめとする災害復旧について
① 被災者の生活再建の課題と制度の見直しについて
② 朝倉市の被災者支援策と今後の県の支援について
③ 日田彦山線復旧に対する住民の意見に対する知事の受け止めについて
④ 日田彦山線復旧にかかるJR九州の負担額について
⑤ 日田彦山線復旧に向けた決意について
 
<答弁【いずれも知事答弁】>
① 被災者の生活再建の課題と制度の見直しについて
被災者の生活再建の早期実現は、地域や災害規模に関わりなく同じ扱いをされることが基本。被災者生活再建支援法について、同一災害の場合、全ての被災市町村に適用するとともに、適用世帯の対象拡大を行うこと、損害援護資金貸付金については貸付額、利率などの改善が必要。このため法律の適用の見直しの要望を行い、貸付金の利率は3%以内で市町村での決定が可能なった。応急仮設住宅の供与期間も弾力的運用が必要と考えている。

全国知事会では「被災者の生活再建の早期実現を実現するためには、地域によって、あるいは災害規模に関わりなく同じ扱いがなされることが基本」と国に要望した。国に対し、県独自に、また全国知事会、九州地方知事会を通じて制度見直しを要望していく。
 
② 朝倉市の被災者支援策と今後の県の支援について
県は仮設住宅から民間賃貸住宅に入居する引越費用の助成などの支援策を実施してきた。朝倉市は義援金を活用し最大4年間の家賃補助を実施することとした。全壊世帯と半壊世帯への義援金配分費を5倍に、一部損壊・床上浸水の追加で、朝倉市に対し総額約34億円の義援金を配布した。今後も被災者一人一人に寄り添った支援を行っていく。
 
③ 日田彦山線復旧に対する住民の意見に対する知事の受け止めについて
沿線3市町村で実施された住民報告会では、鉄道で復旧を求める声が大勢を占め、東峰村の住民から鉄道での早期復旧を求める決議文が提出された。一方、JR九州の考えを直接聞きたいとの意見も出され、日田市、添田町では住民説明会が行われ、東峰村では10月2日に行われる予定。こうしたJR九州と住民が対話を行い、相互の考えが相手に伝わるというプロセスを重ねることが非常に重要であると考える。
 
④ 日田彦山線復旧にかかるJR九州の負担額について
JR九州の負担額は福岡・大分両県の災害復旧事業を活用することで56億円まで低減する方策が見いだされた。また鉄道軌道整備法の改正により、補助対象外であった黒字の鉄道事業者も赤字路線の災害復旧事業への補助制度が設けられ、復旧費の4分の1を国、4分の1を自治体が補助すればJR九州の負担を軽減することができる。しかし、この制度の活用には10年以上の長期的運行確保の計画を策定することが必要なため、JR九州は、自治体側が提案している鉄道の利用促進策のほか約1億6千万円の支援が欠かせないとしている。
 
⑤ 日田彦山線復旧に向けた決意について
日田市、添田町で実施されたJR九州の説明会では、地元負担なしの鉄道復旧を求める声が多かったが、一部から早期解決を図るためBRTでの復旧もやむなしとの意見も出た。JR九州の青柳社長は「鉄道復旧については地元負担なしではできない」。提案している3復旧案について「実現可能なものについて、新しいアイデアを入れ、最大限要望に応える」旨発言された。JR九州と住民の皆様が意見交換をし、直接JR九州の考え方を聞く、地域の皆様の思いを伝える、こうしたプロセスを積み重ねていくことが大事であると考える。その上で、1日も早い復旧・復旧につなげられるよう、住民の皆様にとって最善の方策は何か、その観点から検討し、解決の方針を決断していきたい。
 
2.地方創生交付金の課題について
① 市町村の第一期地方創生総合戦略の外部委託による作成について
② 市町村における地方創生交付金の課題と第二期の県の支援について
 
<答弁【いずれも知事答弁】>
① 市町村の第一期地方創生総合戦略の外部委託による作成について
企業や大学への委託を行った市町村数は39団体、65%、そのうち県外委託は26団体、27%。総合的な戦略を策定するのは地方自治体に初めてで、そのノウハウや人手不足を補うため委託を行ったものと考えているが、地元関係者を含む委員会での議論、住民アンケート、パブリックコメントの実施などで地元の意見が反映され、地域に根差した戦略となっていると考える。

現在市町村で第2期戦略の策定が行われており、県は15圏域ごとの「地方創生市町村圏域会議」を開催、国の新しい視点など情報提供を行い、市町村と意見交換を実施中。また県内18市町村に「ふるさと貢献隊」の職員を派遣し戦略策定の支援を行っている。今後とも、「広域地域振興圏」にかかる県の総合戦略の情報提供を行うなど、第1期の蓄積を活かし、市町村の実情に即して戦略を策定できるよう支援していく。
 
② 市町村における地方創生交付金の課題と第二期の県の支援について
市町村から、交付金の申請や地域再生計画書の提出の際、極めて多くの説明資料を求められる等の課題が挙げられ、対象事業の要件緩和や事務手続きの簡素化・合理化等を進めるよう要請したところ。国では事務手続きの簡素化について、計画作成の支援ツールの開発が進められている。県として、市町村や地元の団体が計画する段階から、それぞれの地域の実態やニーズに応じた支援を行っていく。
 
3.女性活躍先進県に係る男性の育児休暇等取得について
① 男性職員の育児休業等の取得状況について
② 男性職員の育児休業等の取得促進に向けたトップのリーダーシップの発揮について
 
<答弁>
① 男性職員の育児休業等の取得状況について
【知事答弁】
一昨年度知事部局で子供が生まれた男性職員は153人。うち育児休業取得者は9人、取得率5.9%、取得期間は全て2週間以上で、「1か月以上3か月未満」の者が5人。育児短時間勤務と部分休業の取得者がそれぞれ1人。育児休業取得率は、平成26年度5.5%、27年度8.6%、29年度9.4%と増加傾向だったが、一昨年度は全国平均の8.3%を下回った。これは九州北部豪雨の災害復旧・復興業務の影響と考えられ、昨年度は12.5%と再び増加。

【教育長答弁】
一昨年度、子供が生まれた男性職員は389人。うち育児休業取得者数は4人、取得率は1.0%で全国平均3.4%を下回る。翌30年度は2.4%となった。29年度の取得期間は6月以下のものが2人、6月を超え1年以下のものが1人、1年を超えるものが1人。理由は、職場での業務調整や代替職員の確保が難しいこと、休業期間中の収入減少が考えられる。

【警察本部長答弁】
平成29年度の育児休業対象者は727人。育児休業を取得した者はおらず、取組みの推進が必要。全国警察の育児休業取得率は0.4%。県警察では、育児休業取得のほか、出産前後8週間に5日間まで取得できる「父親育児休暇」の取得も奨励。平成28年策定の「福岡県警察におけるワークライフバランス推進行動計画」で令和2年度までに男性職員の育児休暇と父親育児休暇の取得率を合わせて30%以上とすることが目標。この取得率は平成29年度22%、30年度27.2%である。
 
② 男性職員の育児休業等の取得促進に向けたトップのリーダーシップの発揮について
【知事答弁】
平成28年3月「特殊事業主行動計画」を策定。来年度末までに、子供が生まれる男性職員全員「父親の子育て支援プログラム」の作成、出産・育児に係る休暇の5日以上取得、育児休業や育児短時間勤務、部分休業の取得率を15%以上とする3つの目標に取り組んだ。その結果、「支援プログラム作成率」は97.8%、「育児休暇等の5日以上の取得率」は88.9%、「育児短時間勤務、部分休業の取得率」は15.6%となっている。

男性職員の「仕事と子育ての両立支援ハンドブック」の配布、制度周知、研修等を通じて子育てに理解のある職場環境づくりを進めてきた。私も「イクボス宣言」を行い、子供が生まれた職員に積極的に育児参加を促すほか、育児休業を取得した際の収入に関するモデルケースを提示することで、育児休業等の取得率向上につなげていく。

【教育長答弁】
「特定事業主行動計画」に基づき育児休業、育児短時間勤務、部分休業の取得率を15%以上とする目標に取り組んでいるが、昨年度の取得率は3.4%。「支援プログラム作成率」は95.9%、「育児休暇等5日以上の取得率」は59.4%。

管理職員が「イクボス宣言」をし、「仕事と子育て・介護の両立支援ハンドブック」などを配布し、育児休業制度の取得の意義について周知を行っている。今後、まず部分休業や育児短時間勤務の取組みで子育てを経験してもらうため、対象職員に対し個別説明を行う。私からメッセージを出すとともに、職場全体でサポートする体制整備に努める。

【警察本部長答弁】
男性職員の育児休業等の取得促進のため子供が生まれる男性職員を対象に「プレパパ研修会」を開催した男性職員が利用できる制度周知、父親育児休暇を取得した先輩職員の体験談を聴く機会を設けるなど、育児参加への不安感や抵抗感を軽減する取組みを行っている。

警察本部長として各種会議で全職員の意識改革、幹部職員による対象職員の適時面談、積極的な声掛けを行い各種制度の利用に関して相談しやすい雰囲気の醸成、対象職員の職場における業務分担の調整など、男性職員が家庭生活へ参加しやすい職場環境の整備に取り組んでいく。
 
4.最低賃金改定に伴う本県の対応について
最低賃金の新たな目標額と達成時期の設定について
 
<答弁>
【知事答弁】
労働者の賃金が上昇することで消費が拡大し、企業収益の向上にも繋がる経済の好循環が生まれる。最低賃金は、この3年、年率3%程度を目途として引き上げられてきており、今年度の「経済財政運営と改革の基本方針」において「より早期に全国加重平均が1,000円になることを目指す」とされたところ。これまでも県独自に国に対する最低賃金の引上げの提言を行ってきた。まずは、国が示している目標の達成に向けた着実な引上げを求めていく。
 
一.人づくり、県民生活行政について
1.九州歯科大学附属病院における無給医問題について
① 九州歯科大学附属病院の実態に関する所見について
② 「給与を支給していない者」の合理的な理由と今後支払う給与の考え方について
③ 給与を支給していない歯科医医師の事故等への対処について
 
<答弁【いずれも知事答弁】>
① 九州歯科大学附属病院の実態に関する所見について
文部科学省は、全国の大学付属病院の調査をし、本年6月公表を行った。九州歯科大学付属病院の回答に当たって、九州歯科大学が労務管理の専門家である顧問弁護士に相談し診療の実態を確認した上での回答で、給与を支給しないことに合理的な理由があると認識。
 
② 「給与を支給していない者」の合理的な理由と今後支払う給与の考え方について
「合理的理由があるため給与を支給していない者」29名は、九州歯科大学附属病院が、研修・研究を行いたいという開業医等の希望に応じ、研修登録医として受け入れたもので、自らの診療技術の向上のため研修料を支払い、大学教員の実地指導の下、診療の参加しており、こうした研修登録医の性格から給与の支払いを要しない。

「給与を支給していなかったが、今後給与を支給するとした者」45名は大学院生で、博士号を取得するため必要な単位取得や研究論文を作成するため、大学教員の指導の下、診療に参加しているものであり、給与の支給を要しないものである。今後支給する給与は単位取得や研究以外で診療を行う制度を本年7月に創設し、来年1月から、この制度を利用して診療をしたい大学院生に対し給与を支払うこととしたもの。給与の支払方法は、勤務実績に応じて一律の額の時給で支払われる。
 
③ 給与を支給していない歯科医医師の事故等への対処について
放射線を扱う診療科で医療行為上のリスクに備え、放射線被ばく線量を図るガラスバッジを支給するなど給与を支給している歯科医師と同様の対応をしている。これらの事故は過去3年間発生していないが、仮に事故が発生した場合には傷害保険で補償が行われる。

また、歯科医師の診療で過去3年間で患者衣服の破損、薬アレルギーなどの事案が4件発生し、これらには大学が責任を持って対応している。なお、補償が必要な場合に備えて、大学では医療損害保険にも加入している。
 
一.福祉労働行政について
1.「同一労働同一賃金推進法」を控えた本県の対応について
① 同一労働同一賃金に係る判断基準や企業が求められる対応について
② 同一労働同一賃金を実現するための課題と対策について
 
<答弁【いずれも知事答弁】>
① 同一労働同一賃金に係る判断基準や企業が求められる対応について
昨年6月に成立した「働き方改革関連法」により、不合理な待遇差を設けることを禁止する規定が整備された。昨年12月、国から「同一労働同一賃金ガイドライン」が出され、原則となる考え方や具体例が示された。例えば、「基本給」のうち「勤続年数」に応じて支給するものについては、
・正社員とパートタイム労働者・有期雇用労働者の勤続年数が同じ場合は、同一の支給をしなければならないことが原則
・問題ある事例として、有期労働契約を更新してきた労働者の勤続年数について、通算の年数ではなく、直近の契約期間の勤続年数のみで評価しているケースと示されている。

企業において、不合理な待遇差がある場合、就業規則の変更等その改善に向けた対応を行うことが必要。また、派遣労働者の派遣元企業は、派遣先の労働者との間に不合理な待遇差が生じないように対応する必要がある。加えて、非正規雇用労働者から求めがあった場合「正社員との待遇差の内容や理由」等について説明を行う必要があるとされた。
 
② 同一労働同一賃金を実現するための課題と対策について
同一労働同一賃金は、どのような雇用形態を選択しても納得できる待遇を受けられ、多様な働き方を自由に選択できるようにすることを目的としたもの。国のガイドラインにおける基本的な考え方として「労使で合意することなく通常の労働者の待遇を引き下げることは、望ましい対応とはいえない」旨が規定されている。

こうした同一労働同一賃金の目的や考え方をまず企業が理解することが重要。このため、国は、都道府県労働局ごとに「働き方改革推進支援センター」を設置し、企業向けの相談やセミナー開催などを行っている。県も、福岡労働局と連携し、市町村を通じた事業主への周知等の周知・啓発を行っている。
 
一.教育行政について
1.中学、高等学校における運動部活動のあり方について
① 県内各市町村及び私立中学、高等学校における運動部活動の方針の策定状況と今後の対応について
② 県立高校運動部における休養日の取得状況、自主練習日の実施状況及び月の休養日がゼロの部活動の有無について
③ 休養日の弾力的な設定のあり方や、朝練習も含めた自主練習の規制についての認識と今後の取組みについて
④ 県の指針に基づいて活動計画の明示等を適切に行っていない県立高校の数及びそれらに対する指導について
 
<答弁>
① 県内各市町村及び私立中学、高等学校における運動部活動の方針の策定状況と今後の対応について
【知事答弁】
県では、昨年12月、私立中・高等学校等を設置する学校法人及び学校長に対し、国のガイドライン及び県の指針に則り「運動部活動の方針」を策定・公表する等、適切に対応するように周知するとともに、私学団体の会議においてもその働きかけを行ってきた。その結果、本年7月現在、中学校6校、高校37校と、策定校が8割を超える予定。

残る中学校5校、高校10校も、早急に策定されるよう引き続き働きかけ・助言していく。

【教育長答弁】
本年度5月に実施した調査によると、政令市を除く県内58市町村のうち29市町村が策定済で、未策定の市町村教育委員会からの様々な相談に応じ、本年度18、来年度11の市町村が策定予定となっている。今後とも円滑な策定に向けて指導助言を行ってまいる。
 
② 県立高校運動部における休養日の取得状況、自主練習日の実施状況及び月の休養日がゼロの部活動の有無について
【教育長答弁】
中等教育学校を含む県立高校全日制課程の全運動部1,801部における休養日の取得状況は、各月の平均が4月で6.8日、5月で10.9日、6月が12.3日、7月が7.6日だった。休養日の設定が0日の月があった運動部は10部あった。自主練習の実施状況は、4月から7月までの間で、休養日に一度でも自主練習をした運動部は304部であった。
 
③ 休養日の弾力的な設定のあり方や、朝練習も含めた自主練習の規制についての認識と今後の取組みについて
【教育長答弁】
地域や学校の実態、運動種目の特性、大会等の日程などがそれぞれ異なることから、休養日を学期や年間を通じて弾力的に設定ができることを指針にしている。しかし、月に1日も休養日がない部、恒常的に休養日が少ない部も見受けられる。生徒の健康・安全の観点から、休養日を適切の設けるなどの対応は必要であると認識。

今後も、休養の必要性や、過度の練習によるスポーツ障害のリスクなど、校長会や運動部活動指導力向上研修会等、様々な機会を通じて周知するとともに、今回の調査によって課題が明らかになった学校に対しては個別に指導してまいる。
 
④ 県の指針に基づいて活動計画の明示等を適切に行っていない県立高校の数及びそれらに対する指導について
【教育長答弁】
本年8月時点で、活動計画等が不十分であった県立高校は2校。学校と地域・保護者がともに生徒の健全な成長を図るパートナーという考えのもと、各学校が活動計画等を積極的に公表することは重要。そのため、当該校には活動計画等の策定及び公表が適切に行われるように指導・是正を行っていく。
 
一.警察行政について
1.飲酒運転撲滅に向けた対策について
①飲酒運転撲滅条例が果たしてきた役割について
②飲酒運転事故が増加している原因について
③違反者に対する飲酒指導の実績について
④飲酒運転撲滅に向けた取組みについて
 
<答弁>
① 飲酒運転撲滅条例が果たしてきた役割について
【知事答弁】
条例施行前の飲酒運転事故件数は、平成22年度には337件で全国ワースト1位。29年は126件と6割以上減少し、統計が残る昭和40年以降最少し全国ワースト11位まで改善。

こうしたことは、飲酒運転撲滅条例の施行や法律の基づく罰則の強化、県民の協力のもと実施してきた取組みによって飲酒運転撲滅の意識が県全体に広がり、警察の取締りと相俟って事故件数の減少に繋がったものと考えている。
 
【警察本部長答弁】
飲酒運転撲滅条例によって県民の飲酒運転撲滅に対する意識が大きく高まる契機となり、毎月25日の「飲酒運転撲滅の日」を中心に県内各地でキャンペーン活動が展開されるなど、飲酒運転撲滅に向けた官民一体による取組みの推進力になってきているものと考えている。
 
② 飲酒運転事故が増加している原因について
【知事答弁】
昨年秋以降、飲酒運転は増加傾向にあり、昨年の事故件数は一昨年と比べ18件増加し、144件。今年7月末83件と昨年同期を9件上回っており憂慮すべき状況。事故発生時間帯は、夜間より昼間帯が多く、前夜の飲酒のアルコールが残った状態での運転や、日中にアルコールを摂取しての運転が要因と考えられる。また、30歳未満の若年層の事故件数が増えており、13年前の海の中道大橋での悲惨な事故を知らない若年ドライバーが増加し、飲酒運転撲滅の意識が希薄化してきていることが一因であると考えられる。

【警察本部長答弁】
2017年の飲酒運転事故は、対前年比32件の大幅な減少により、統計のある昭和40年以降最少となる126件。翌2018年は18件増加して144件となり、本年7月末現在、対前年比増で推移している。ここ3年間の飲酒運転の検挙数は年間1,400件程度で高止まりし、その7割以上が、高濃度のアルコールが残った状態で運転していたもの。すなわち、飲酒による影響を十分に認識しつつ飲酒運転をしている者が多数いることがうかがわれ、そうした現状が、飲酒運転事故の高止まりという結果につながっているものと考えている。
 
③ 違反者に対する飲酒指導の実績について
【知事答弁】
飲酒運転撲滅条例に基づき、飲酒運転1回目の違反者は、アルコール依存症に関する診断または飲酒行動に関する指導のいずれかを受け、報告する義務がある。

この義務の履行率を向上させるため、昨年度アルコール依存症に関する指定医療機関を14から19病院に増やした。また、これまでの保健所での指導に加え、県庁で、警察本部に聴聞に来た者に対し臨床心理士や精神保健福祉士による指導をしている。県庁での指導は、本年7月末までに聴聞に来た468名のうち421名が受けており、この結果、受診義務等の履行率は昨年3月末の約5割から現在約6割まで高まっている。今後とも、飲酒運転の撲滅に向け、飲酒運転者の検挙時に渡していた受診義務のチラシを、身元引受けに来た家族に渡すなど、受診義務の履行率向上に努めてまいる。

飲酒運転をなくすため、昼の時間帯にも事故が多く発生しているため、県民の皆さんに飲酒運転を見かけたときの110番通報を呼びかける運動を展開中。また、警察と協力し、飲酒運転を疑似体験できる講習会の実施、学校への飲酒運転撲滅活動アドバイザーの派遣、学生と合同の街頭啓発など、これから運転免許を取得する若年層への啓発活動を強化していく。
 
④ 飲酒運転撲滅に向けた取組みについて
【警察本部長答弁】
飲酒運転事故の発生状況や飲酒運転情報等を踏まえ、時間帯、場所、方法等を工夫した取締りを行う。検挙の際には、車両や酒類を提供したり、同乗した者に対する捜査も徹底していく。また、飲酒運転を許さない社会環境づくりにも総合的に取り組んでいく。
 
具体的には飲食店、タクシー、運転代行事業者など飲酒運転を見かける機会の多い方々の通報訓練を実施するほか、特に酒類を提供飲食店に対しては、利用客に交通手段を確保するなどの取組みをしてもらうよう繰り返し働きかける。さらに、自動車学校における教習や運転免許更新の講習はもとより、高校・大学とも連携して、飲酒運転の危険性、悪質性を実感させる教育や広報啓発を展開していく。
 
2.水上バイクの規制と安全確保対策について
① 海上保安庁と警察の取締りに関する水上バイクに関する情報共有について
② 水上バイクの航行ルールの指針となるガイドラインの策定について
③ 水上バイクの航行マナーの向上に関する条例の制定について
④ 水上バイクが航行できる区域の見直しについて
 
<答弁>
① 海上保安庁と警察の取締りに関する水上バイクに関する情報共有について
【警察本部長】
海上保安庁とは、「関門地区海難防止強調運動推進連絡会議」や「福岡地区海浜事故防止推進委員会」などの会合で情報の交換、合同取締りや海水浴場での水難防止キャンペーンの実施などの関係。水上バイクに関する個別の事案や相談がなされた場合には、会合の議題に取り上げたり、お互いに通報するなどして情報共有を図っている。昨年、110番通報などで警察が受理した水上バイクに関する事案は、騒音苦情や迷惑行為などの苦情が21件、水上バイク同士の衝突などの事故が7件。

警察による水上バイクに対する取締りは、昨年は、航行区域外を航行した「船舶安全法違反」1件を検挙、騒音苦情、危険行為等に対し8件の警告指導を行った。

② 水上バイクの航行の指針となるガイドラインの策定について
【知事答弁】
近年、マリンレジャーの拡大で水上バイク同士の接触や遊泳者とのトラブルが発生している。水上バイクの操縦には「船舶職員及び小型船舶操縦者法」に基づく特殊小型船舶操縦士免許が必要。操縦には法律、「福岡県迷惑行為防止条例」を遵守する必要があり、これら法令の遵守の周知徹底を図ることが大切。他県では、追越し禁止や航行時間制限など細かなルールのガイドラインを策定している例がある。ガイドラインの効果、必要性について、本県の実情、他県の取組みなどを参考に研究してまいる。
 
③ 水上バイクの航行マナーの向上に関する条例の制定について
【警察本部長】
 警察としては、他都道府県条例についての研究を行うとともに、本県内における情勢を子細に把握するよう努めつつ、今後の水上における安全や水上バイク航行マナーの向上のための対策の在り方について、関係機関と協議して参りたいと考えている。
 
④ 水上バイクが航行できる区域の見直しについて
【知事答弁】
福岡周辺地域においてマリンレジャーに伴う事故が発生。当該海域における事故の防止を目的に、今年6月、福岡海上保安部が事務局となり、九州運輸局、警察本部、県、関係団体、地元自治体で構成される「福岡地区海浜事故防止推進委員会」が発足。

今後、航行可能な区域の見直しは、委員会の場で、地元自治体や関係団体の意見を踏まえつつ、安全かつ快適な水上及び水辺の環境を実現するという観点に立って議論して参る。

4.2019(令和元) 年『12月県議会』報告

2019年(令和元年)12月議会定例会は、12月2日から12月19日までの18日間の会期で開催されました。

上程された議案は、安全・安心の確保、福祉の充実に取り組む予算、人事委員会勧告に基づく給与改定予算の予算議案2件、合計16億7千万円余、「福岡県の給与に関する条例等の一部を改正する条例」など条例議案17件、「工事請負契約の締結について議決内容の一部変更」など契約議案3件、「当せん金付証票の発売」などその他の議案6件、合計28議案でした。

代表質問、一般質問、各常任委員会を経て、最終日の12月19日の本会議で採決が行われ、28議案が可決されました。
 
民主・県政クラブ県議団の代表質問の登壇者は、原田博史議員で、県政の基本姿勢について、九州北部豪雨をはじめとする災害復旧関連、建設業における女性の活躍促進など3件、北九州空港の利用促進、九州歯科大学附属病院の大学院生への給与支給など広く県政問題について知事、教育長に質問を行いました。

一般質問は、佐々木允議員をはじめ8名の議員が質問に立ちました。
 
【代表質問の内容】
一.県政推進の基本姿勢について
1.自然災害の被災者支援と防災・減災対策について
① 九州北部豪雨被災者の生活再建支援について
② 日田彦山線の復旧について
③ 河川改修の推進とダムの事前放流について
④ 災害時の電源確保について
2.建設業における女性の活躍促進について(女性活躍先進県に係る施策の推進)
3.日米地位協定の見直しについて
 
一.北九州空港の利用促進について
 
一.人づくり・県民生活行政について
1.九州歯科大学附属病院の大学院生への給与支給について
 
一.商工行政について
1.観光振興策と宿泊税について
 
一、教育行政について
1.義務教育課程における外国人児童・生徒の課題、及び夜間中学の設置について
 
代表質問の質問、答弁の概要(登壇12月9日)
 
一、県政推進の基本姿勢について
1.自然災害の被災者支援と防災・減災対策について
① 九州北部豪雨被災者の生活再建支援について
九州北部豪雨災害の被災者や被災地の実態を踏まえた支援の具体的な要望がなされたが、知事はどのように支援していくつもりか問う。

【知事答弁】先月21日、栗原議長とともに国に対し、国の施策・制度・予算に対する提言・要望の最重点項目の1番目として、復旧・復興に関する要望を関係省庁に行った。

県独自の取組みとして、被災自治体への職員派遣、小石原焼の情報発信や販売支援、引越費用や民間賃貸住宅の初期費用の助成などの被災者の生活再建支援のほか、水位計や監視カメラの新設による安全対策などを行ってきた。

被災地の皆様が一日も早く元の生活に戻れるよう、今後も、全力で取り組んでいく。
 
② 日田彦山線の復旧について
○ 添田町長、東峰村長との協議について
先の決算特別委員会での「知事と住民との直接対話をしないのか」との問いに、「まずは両首長と協議をしたい」旨答弁された。知事はいつまでに協議を行うのか。

【知事答弁】現在、町、村における様々な動きがあり、またJR九州は地元からの要請に応じて、意見交換を行う意向を示している。今後の住民の皆様とJR九州との意見交換を踏まえながら、添田町長や東峰村長と協議を行ってまいりたいと考えている。
 
○ 沿線住民との意見交換について
沿線住民の声を全く聞かないまま知事として決断するのは、県民に寄り添うという知事の姿勢に逆行するもの。住民との意見交換を行うつもりはあるのか。

【知事答弁】JR九州による住民説明会の内容は報告を受けており、住民の考えや意見等については、しっかりと受け止めている。
現在、町、村で様々な動きがあり、JR九州は地元からの要請に応じて、意見交換を行う意向を示している。私としては、意見交換の動向を踏まえながら、まずは、地域の住民の皆様の代表である添田町長や東峰村長と相談し、解決に向け協議を進めていきたい。
 
○ 日田彦山線沿線自治体の地域振興について
日田彦山線の復旧方針の提示とあわせ、沿線自治体の振興策について提示していく責務があると考える。このことについて知事の認識と具体的な取組みを示していただきたい。

【知事答弁】日田彦山線の問題の解決は、被災地の復旧・復興の観点から、地域住民の皆様の生活の維持、沿線地域の振興につながるものでなければならない。日田彦山線の復旧方策の検討にあたり、これと併せ、地域全体の復旧・復興を総合的に考える必要があり、沿線地域の町村の実情に応じた振興策についても、町長や村長と協議を行っていく。
 
③ 河川改修の推進とダムの事前放流について
○ 県管理河川における危険個所の現状把握について
全国的に豪雨災害が頻発しており、河川改修は加速度的に進める必要がある。ここ数年の災害、近年の最大雨量などを参考に、堤防を十分に点検すべきと思うが、知事の考えを問う。

【知事答弁】点検にあたって、平成24年7月九州北部豪雨などの被害状況を踏まえ、堤防の浸透や浸食の恐れがある箇所を特定し、対策が必要な場合には直ちに対応している。今後も、河川管理施設の適切な維持管理を行うことで、洪水被害の防止、低減に努める。
 
○ 来年度の公共関連予算、特に河川管理に関する予算について
災害が常態化している中、今後、通常分の予算を増やしていくことが重要だと考えるが、来年度の公共事業関連予算、特に河川管理に関する予算に対する方針を問う。

【知事答弁】河川改修は、過去の浸水被害、流域の人口や家屋などの集積状況、費用対効果などを総合的に判断し、優先度が高い河川から実施している。堆積土砂の浚渫や障害となっている樹木の伐採などの維持管理については、所管の県土整備事務所が河川巡視や地元要望などを基に、治水上の安全度を判断し、実施している。

県としては、近年の降雨状況や浸水状況などを踏まえ、効率的、効果的な河川改修や維持管理を実施し、治水安全度の保持、向上に取り組んでまいる。
 
○ 河川事業に携わる国の職員の配置について
地方整備局の職員数が、ここ18年間で約2割減少したとの説明があった。多発する災害を考慮し適切な人員を確保すべき。職員数減への見解と増員要望の意志を聞きたい。

【知事答弁】九州北部豪雨では、テックフォースの派遣、赤谷川流域で国の権限代行の改良復旧工事を実施。地方整備局は、従来の社会資本の整備や管理に加え、県や市町村への支援により、その役割が増していると認識。定員は定員合理化計画により減少している。

本年10月本県で開催された「九州地方治水大会」で、九州の自治体の出席のもと、「地方整備局の組織・人員の拡充など必要な体制確保を図ること」など決議、国に要望した。
 
○ 河川事業に携わる県職員の配置について
頻発する災害に備え、定数増を含め土木職員をしっかり確保すべき、切れ目なく技術を継承していくためにも計画的な採用を行うべき、知事の考えを聞きたい。

【知事答弁】採用は、定数増減や退職者数、被災した他県・市町村への派遣予定者数を見込んで採用数を決定している。大規模災害の発生により、迅速に復旧・復興事業に取り組むべきときは、次年度採用予定者の早期採用や臨時的な採用試験も行ってきた。今後とも、災害からの復旧・復興も含めた公共事業の執行体制の確保に万全を期していく。
 
○ ダムの事前放流について
台風19号で、ダムの緊急放流が行われたが、緊急放流により浸水被害が拡大した可能性がある。膨大な降水量が確実視される場合には、緊急放流ではなく事前放流が必要である。

ダムの放流は利水者との調整が不可欠だが、降水量と事前放流に関する研究などを検討すべきと考えるが、知事はどう考えるか。

【知事答弁】国は11月26日に「既存ダムの洪水調節機能強化に向けた検討会議」を設置。会議では、洪水が予測された場合「事前放流」を実施できるダムの運用方法の改善の検討と気象予測も、情報提供の時期や予測精度の改善に取り組んでいくと聞いている。

現時点で利水者の同意を得るための手法について明らかになっていないが、今後、この会議で示される方向性を踏まえ、県管理ダムの事前放流の可能性について検討していく。
 
④ 災害時の電源確保について
○ 病院・福祉施設における医療機器の電源確保について
停電時にも各病院、各福祉施設において非常用電源で医療機器が稼働するようにすべきだが、入院患者、入所者を抱える病院、福祉施設での現状は如何。
また、病院等の認可・指定・監督権限を持つ県などが施設管理者に非常用電源で医療機器が稼働するように指導・助言をすべきと考えるが、知事の考えを問う。

【知事答弁】調査を行い、病院は、全460病院中437病院から回答。そのうち約8割の359病院に医療機器の稼働が可能な非常用電源が設置済み。このうち、緊急度の高い災害拠点病院、救命救急センターは全病院に設置済み。救急病院も93%の設置率。未設置の病院には、立入検査等の機会を活用して非常用電源の設置を促す。

非常用電源の整備に関する国の補助制度は、対象施設が災害拠点病院等に限定されていることから、補助対象を拡大するよう、国に対し要望を行っている。

福祉施設について、介護施設は、1,013施設中964施設から回答。うち医療機器を使用している662施設中、約6割の377施設に設置済み。

障がい者施設は、調査を行った153施設全てから回答があり、医療機器を使用している19施設中、約7割の13施設に設置済み。

昨年度から、これらの施設の非常用電源の設置が、国庫補助の対象となったこと等を受け、未設置の施設に対し、必要に応じこの支援策を活用し整備を行うよう促している。
 
○ 県庁、地方本部等公的機関、及び病院・福祉施設での発電機能の保持について
災害時に被災情報の収集と被災者支援を行う公的機関、更には人命を預かる病院、福祉施設における非常用電源設備が浸水被害などで発電機能を失うことはないのか。もし機能を失う可能性があれば各管理者に対し指導・助言をする必要があるが、知事の考えを問う。

【知事答弁】県及び市町村の災害対策本部や消防本部が洪水、高潮、津波の浸水想定区域内にある場合、非常用電源設備は上層階への設置、止水板設置などの浸水対策が必要。

平成30年3月に県庁舎が新たに高潮の浸水想定区域となったため、発電機を屋上に設置する設計に着手。工事は来年10月完成予定。浸水想定区域内の4農林事務所は既に屋上に発電機を設置済み。

浸水想定区域内にある消防本部11カ所は全て、非常用電源の浸水対策が行われている。

市町村が災害対策本部を設置する庁舎は、28市町が浸水想定区域内に所在し、そのうち、浸水対策が必要となるのは10市町。この10市町のうち5市町は、庁舎の建て替えや改修が計画されており、それに合わせて浸水対策が図られる予定。残る5市町も、対策が検討されており、早急に対策が講じられるよう働きかけていく。

医療機器の稼働可能な非常用電源を設置していると回答があった病院が、浸水想定区域内に119所在、うち99は、2階以上に非常用電源を設置する等、浸水対策を実施済み。

医療機器の稼働可能な非常用電源を設置する福祉施設で、回答のあった浸水想定区域内の介護施設87施設中42施設、障がい者施設3施設中1施設が、対策を実施済み。

非常用電源の設置場所が浸水する恐れがある病院や施設には、立入検査や指導監査等の機会を捉え、設置場所の見直しや防水扉の整備等の対策をするよう指導していく。
 
○ 電源車配置の優先順位について
関東地方での停電の際、電源車が十分に活用されていないとの報道があったが、停電時に電力会社が有する電源車配置の優先順位の基準はどうなっているのか。

【知事答弁】九州電力に確認したところ、基本的な考え方は、電源復旧に時間を要することが想定される場合、①病院や福祉施設など人命にかかわるような施設、②避難所、③災害対策本部を設置する自治体の庁舎、に優先的に配置することとしている。
 
2.建設業における女性の活躍促進について(女性活躍先進県に係る施策の推進)
4月の知事選の「おがわ洋政策集」で「建設業における女性の就業を促進し、女性が活躍できる場を拡大する」と明記している。建設業の現場で女性が就業するため県が主体的に取り組んでいる事業は何か。またどのような環境整備が必要か、どのように周知を図るか問う。

【知事答弁】建設業を含む中小企業の経営者などを対象に、女性活躍推進のためのセミナーを開催。建設関係7団体主催の「福岡県建設業構造改善推進大会」においては、今年度、「女性が働きやすい職場づくり」をテーマとした講演が行われ、さらに、建設業の女性従業員と経営者が「働きやすい職場づくり」のための課題や解決策を共に検討するワークショップに対して支援を行っている。

女性の就業を促進するには、女性が働きやすい施設整備や仕事と家庭の両立支援などの職場環境の整備が重要。県は、中小企業に専門家を派遣し、女性専用の更衣室やトイレなどの整備に係る国の助成制度の活用を促すとともに、女性登用や両立支援のための具体的なアドバイスを実施中。

こうした制度が活用されるよう、県が設置する「女性の活躍推進ポータルサイト」や、中小企業向けに女性活躍推進に必要な情報を集約した手引書で周知していく。
 
3.日米地位協定の見直しについて
○ 全国知事会の提言及び沖縄県の報告書に対する認識について
全国知事会は、日米両政府に対し日米地位協定の見直しを求める提言を行った。また、沖縄県は、米国と各国の地位協定の中で、日米間の協定のみ米軍基地への国内法の適用や立ち入り権が確保されていないという調査結果の報告書を発表した。

知事は、全国知事会の提言及び沖縄県の報告書にどのような見解を持つか。その上で米軍基地を抱える15都道府県で構成される渉外知事会でどのような取組みが行われたのか。
 
【知事答弁】
昨年7月の全国知事会の提言や、今年7月の全国知事会で報告があった沖縄県の報告書は、日米地位協定に関する課題が、単に沖縄県、あるいは米軍基地がある都道府県のみならず、日本全体の問題としての認識を広げる意義があったと考えている。

基地がある都道府県で構成する「渉外関係主要都道府県知事連絡協議会(渉外知事会)」も、国に対し、基地内へ国内法適用の拡充など、日米地位協定の改定を求めている。
 
○ 日米地位協定に関する認識とあるべき姿について
米軍基地を有する都道府県では刑事事件など、住民生活に影響があり、不安もある。基地を抱える福岡県知事として現在の日米地位協定にどのように認識を持っているか、今後どのようにあるべきと考え、その姿にするためどんな行動をするのか。
 
【知事答弁】
日米地位協定は、国家・国民の安全保障に関わる問題であり、国で適切に判断されるべきもの。米軍基地に起因する問題を解決するためには日米地位協定の改定が必要。国に対し、全国知事会及び渉外知事会を通じ、日米地位協定の改定を求めてまいる。
 
一、北九州空港の利用促進について
○ 北九州空港の路線誘致について
「福岡県の空港の将来構想」が目指す「福岡空港と北九州空港の役割分担と相互補完」に基づいた今後の路線誘致、航空会社の誘致について知事の基本的な考え方を問う。
 
【知事答弁】
北九州空港について、平成28年度から3年間を推進強化期間と位置づけ、誘致活動を強化し、国際線6路線、国内線2路線が就航した。これらの成果を踏まえ、今年度から3年間を北九州空港のネットワーク充実強化期間とし、LCCや早朝・深夜便の誘致、福岡空港に未就航の路線等を重点的に誘致している。
 
○ 北九州空港の滑走路延伸について
航空貨物専用機への対応、航空会社の就航空港の選択拡大の確保の観点から北九州空港の滑走路延伸を今後最初に実現すべきだが、知事の見解と今後の行動に関する決意を問う。
 
【知事答弁】
北九州空港を貨物拠点空港として発展させていくため、大型貨物専用機の長距離運航が可能な滑走路の3,000mへの延伸が必要。県議会をはじめ、北九州市など関係者の皆様と連携して、滑走路の延伸が実現できるよう、国に対して強く働きかけていく。
 
一、人づくり・県民生活行政について
1.九州歯科大学附属病院の大学院生への給与支給について 
○ 大学院生が診療に関わったレセプト件数と勤務時間について
来年1月から開始される給与支払制度の雇用契約の説明会で九州歯科大学附属病院の診療を行う場合勤務時間は月4日以内とされた。保険医として登録され、診療している大学院生が関わったレセプト件数を問う。月4日以内は適正と思うか、その理由も問う。
 
【知事答弁】
昨年度の大学院生が一部でも診療に関わったレセプト件数は9,323件、病院全体の81,946件の約1割程度。これらは全て博士号を取得するために必要な単位取得や研究論文作成を行うため、大学教員の指導の下、診療に参加し、給与の支給を要しないもの。

来年1月から開始する「クリニカルスタッフ制度」は、臨床技能を高めたいという大学院生からの要望を踏まえ、博士号取得のための診療とは別に、診療を行い給与を支払うもので、本来の大学院生の授業や研究に支障がないように月4日以内とするとのこと。
 
○ 時給910円という給与単価について
医療保険課で雇用している嘱託の歯科医師の場合、日額は23,600円で、時間当たり3,045円。九州歯科大学附属病院の時給910円という著しく安価な単価設定に、大学の設置者として知事はどう認識しているのか。
 
【知事答弁】
大学院生は、歯科医師国家試験合格後の臨床研修を終えて間もないことや、診療科長の監督、指導下で行われることから、例えば実習補助業務など一時的に雇用する場合のアルバイト単価を参考に時給910円としたとのこと。給与単価は、大学病院を運営している公立大学法人九州歯科大学が判断すべきもの。
 
一、商工行政について
1.観光振興策と宿泊税について
○ 海外からの誘客増大の取組みについて
韓国からの入国者が大幅に減少し、各方面に影響が出ている。知事は9月議会で、中国、東南アジア、欧米へのプロモーションを強化すると回答したが、具体的な取組みを問う。
 
【知事答弁】
一人当たりの旅行支出の多い中国に対して、個人旅行者へ情報提供のため、11月から中国国内のSNSによる観光情報の発信を実施。また、大分県などと連携し、オンライン旅行会社と連携したプロモーションを行うとともに、11月20日に上海で個人旅行客向け商品造成が見込まれる旅行会社との商談会を開催したところ。

航空路線が拡大している東南アジアについて、マレーシアの航空会社と連携し現地旅行会社を招請するとともに、個人旅行者を対象にバンコクでプロモーションを実施。

欧米豪については、航空会社と連携し、羽田・成田空港経由での誘客促進を図っているところ。11月は国際線においてCNNトラベルで選ばれた本県の観光スポットを紹介した動画放映を行った。今月から航空会社の予約サイト上で、本県の魅力をPRしている。併せて、東京-福岡便の特別運賃を利用した旅行商品の造成に向け、現在、フランス、イギリス、オーストラリアの旅行会社の選定を行っているところ。
 
○ 韓国との交流に関する取組みについて
知事は韓国との民間交流の重要性も認め、積極的に取り組む姿勢を見せられたが、県の現在および今後の取り組みを問う。
 
【知事答弁】
日韓海峡を挟む8つの自治体で知事会議を毎年開催し、両地域の発展と友好関係の促進を図るための協議を行い、幅広い分野で具体的な共同交流事業を行っている。

今年の知事会議も、今月、開催する準備を進めており、両地域の交流につながる意見交換を行う予定。

依然として両国政府の関係は難しい状況。本県は、日韓の知事会議や共同交流事業をはじめ、韓国との人的交流、地域間交流を進めていく。
 
○ 来年度の宿泊税の税収見込みについて
現在県では来年度の予算編成を行われていると思うが、宿泊税はどの程度の歳入を見込んでいるのか。それは現在激減している韓国人観光客の動向を考慮しているのか問う。
 
【知事答弁】
本年7月及び10月に総務大臣への同意協議を行った時点で、税収を約15億円と見込んでいる。税収を見込むにあたり、①直近の宿泊者数の推移、②韓国人観光客の動向、③韓国以外の国々や国内の観光客の動向、④それぞれ課税を行う北九州市及び福岡市からの情報を総合的に勘案して算定。
 
○ 宿泊税の課税の免除、除外規定について
宿泊税施行後、社会教育施設への宿泊、修学旅行者に対する課税について、各団体などの意見を聞き、宿泊税の減免や除外規定を設けるつもりはないのか伺う。
 
【知事答弁】
宿泊税に関する制度設計にあたって、①行政サービスの受益は宿泊施設の形態や宿泊料金に関わらず同等、②宿泊事業者の課税免除の確認や書類提出などの事務負担を検討し、免除を設けないこととした。

条例には施行3年後の見直し規定を設けており、関係の皆様のご意見を聞いていく。
 
○ 宿泊税を活用した新たな施策への取組みについて
来年度から宿泊税を使った本県独自の施策は、これまで実施してきた施策に加えて新たにどのような取組みを行うのか伺う。
 
【知事答弁】
広域的な観点から実施する「県主体事業」、市町村が実施する事業に財政的支援を行う「市町村交付金事業」で県全体の観光の魅力の底上げに取り組んでいく考え。

「県主体事業」は、例えば、①観光資源の魅力を向上させる観点から、インバウンド向け体験プログラムを組み込んだ旅行商品モデル造成の支援、②受入環境の充実の観点から、県全体の宿泊施設の満足度を向上させるバリアフリー化など施設改修の支援、③情報発信を効果的に行うため、東京2020オリンピック、パラリンピックや東南アジアへの航空路線拡大を契機とした誘客プロモーションの展開、④観光振興の体制を強化するため、観光産業の人材育成の支援、などを考えている。

「市町村交付金事業」は、市町村が当該市町村内で実施する施策、具体的には、①観光資源の魅力を向上させる観点から、自然、歴史、文化等を活用した観光資源の開発、②受入環境の充実の観点から、観光案内所の整備や観光スポットにおける多言語化等の推進、③情報発信を効果的に行うため、市町村内への誘客プロモーションの展開、④観光振興の体制を強化するため、観光協会の運営の強化、といった施策を考えている。
 
○ 宿泊税を活用した市町村交付金事業の制度設計について
市町村が行う観光振興事業に対し交付金の交付を行う基準、手続きなど、出来るだけ早期に市町村に説明する必要がある。現在県が考えている制度設計について問う。
 
【知事答弁】
観光客の宿泊や訪問状況などの実態を踏まえ、具体的な制度設計を検討しているところ。市町村には、宿泊税条例可決後直ぐに、宿泊税の概要説明を行った。市町村圏域会議において、宿泊税を活用した交付金を交付する旨を伝えている。

会議の中で、市町村から出た交付金の使途や見込額といった質問も踏まえ、できるだけ早く制度の内容をまとめ、市町村に丁寧に説明していく。
 
一、教育行政について
1.義務教育課程における外国人児童・生徒の課題、及び夜間中学の設置について
○ 外国籍の子どもの小・中学校就学の義務化について
日本は1994年に子どもの権利条約を批准している。外国籍の子どもの学ぶ権利を保障するため小・中学校で学ぶことを義務化することを国に要望すべき。知事、教育長の見解は。
 
【知事答弁】
国は、教育機会確保法を制定し、子供の国籍を問わず日本人児童生徒と同様に無償で学校に受け入れることとしている。外国人に自分の子供の就学義務を課すことは、外国人のアイデンティティーの尊重などの課題があり、国で議論されると考えている。
 
【教育長答弁】
国は、教育機会確保法や外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策等により、日本語指導に必要な教員定数の改善や、自治体が行う日本語指導補助者の派遣等への支援を行うなど、制度的に外国籍の子供の教育機会の確保を図っている。本県では、各市町村において、学齢相当の外国籍の子供を持つ全ての保護者に就学案内を行い、小中学校に受け入れるなど、教育機会の確保に努めている。

外国人に自分の子供の就学義務を課すことは、外国人のアイデンティティーの尊重などの課題があり、国において議論されると考えている。
 
○ 外国国籍を持つ就学年齢の児童・生徒の人数等について
本県の外国籍をもつ就学年齢の児童・生徒の人数、うち就学が不明であったり、不就学の児童・生徒は何人いるのか問う。
 
【教育長答弁】
政令市を除く本県の外国籍の児童生徒数は、令和元年5月1日現在、580名。その内、日本の小中学校への就学の意思の無い者2名、就学状況が確認できない者9名。その後の調査で、現時点では、保護者の意思等で就学しない者は5名、出国等の事情により就学状況が把握できなかった者が6名。
 
○ 日本語指導が必要な児童・生徒への対応等について
現在本県にいる日本語教育が必要な児童・生徒数を問う。また当該児童生徒へどのような対応や支援をしているのか問う。
 
【教育長答弁】
政令市を除き日本語指導が必要な児童生徒数は、平成30年度の調査では、小学校227名、中学校75名。日本語指導が必要な児童生徒が多い市町村には日本語指導加配教員を配置し、その教員を対象に、効果的な指導の研修を実施している。
 
○ 日本語指導が必要な児童・生徒への対応のための新たな取組みについて
今後、日本語教師の巡回指導の実施、より授業を効果的にするために多言語対応のタブレットやICTの活用など、新たな仕組みを創設する時期に来ていると思うが、見解を問う。
 
【教育長答弁】
政令市を除く30市町のうち、日本語指導加配教員を14市町に配置し、うち8市町において、その教員が市町村内の複数の学校を巡回し指導を行っている。他県では、教科指導や生活指導、保護者との面談などで、多言語対応タブレット等が活用されていると聞いている。今後、学校に対し、どのような支援が有効か、ICTを活用した先行事例も参考にしながら検討してまいりたい。
 
○ 大牟田市の夜間中学について
大牟田市教育委員会の夜間中学設置の表明について、教育長の評価を伺うとともに、県教育委員会として大牟田市の夜間中学設置をどのようにバックアップしていくつもりか伺う。
 
【教育長答弁】
大牟田市教育委員会の取組みは、年齢・国籍を問わず教育を受ける機会を確保するものとして高く評価。

国では、来年度予算で夜間中学新設準備・運営に係る補助金が計上される予定。県は、大牟田市教育委員会に国の情報、他都道府県の夜間中学の情報を提供、設置に向けた具体的な検討事項の相談に応じいく。
 
【要望、再質問】
○ 日田彦山線の復旧について(要望)
早急に両首長と相談、協議すべきであると強く要望しておく。
また、わが会派は被災地の復旧・地域振興に取り組んでいくことを明言しておく。
 
○ 日米地位協定の見直しについて(要望)
全国知事会だけではなく、渉外知事会においても、県民を代表して積極的に発言し、地位協定改定に向けて主体的に取り組んでいくことを強く要望する。
 
○ 北九州空港の利用促進について(要望)
FIACに10%出資しており、江口副知事が取締役である県は、FIACが両空港の「役割分担と相互補完」という県の方針を再認識するよう働きかけることを要望する。
 
○ 九州歯科大学附属病院の大学院生への給与支給について(再質問)
① 来月から始まる新制度が、労働実態に即した形で運用されているのか、実態と乖離していないか調査をしていくべきと考えるが、知事の考えを問う。
② 保険医として治療する歯科医師の時給が910円というのは妥当なのか。九州歯科大学の設置者として、責任ある答弁を求める。
 
【知事答弁】
新たな「クリニカルスタッフ制度」では、大学院生が勤務した時間を記入した書類を大学に提出することとなっており、その運用状況については、今後、大学から報告を求めることとしている。

地方独立行政法人法により、職員の給与は公立大学法人が定めることとされており、クリニカルスタッフの給与単価も、公立大学法人が責任を持って判断すべきと考える。
 
【要望】
 ○ 九州歯科大学附属病院の大学院生への給与支給について(要望)
九州歯科大学は福岡県の大事な財産。大学院生の診療実態を調査するように要望する。

5.2020(令和2)年『2月県議会』報告

2020年(令和2年)2月議会定例会は、2月26日から3月27日までの31日間の会期で開催されました。
 
上程された議案は、2月26日の開会日に2020年度予算など予算議案21件、福岡県文化芸術振興条例、福岡県スポーツ推進条例など条例議案25件、契約議案他17議案、計63件が上程され、これらの議案のうち3議案は、常任委員会を経て同日本会議で可決されました。残り60議案については、代表質問、一般質問、予算特別委員会、各常任委員会を経て、最終日の3月27日の本会議で採決が行われ、可決されました。

加えて、議会最終日に日田彦山線復旧問題の地域住民に寄り添った解決に向け、確実な財源の確保を求めた「日田彦山線復旧問題に関する決議案」を共同提案し、議決されました。
 
また、会期中の3月5日には追加議案として2019年補正予算議案12件、経費負担議案11件、計23件が、3月13日には新型コロナウイルス感染拡大防止等の補正予算議案1件が上程され、常任委員会を経て本会議で可決されました。
 
民主県政クラブ県議団の代表質問の登壇者は、畑中茂広議員で、県政の基本姿勢に関し、新コロナウイルス問題、新年度予算と県政運営方針、豪雨災害からの復旧・復興と今後の対応など6件、児童虐待への対応、教育現場での変形労働時間制実施に対応した業務削減、京都郡のインフラ問題など、広く県政が抱える問題について知事、教育長に質問を行いました。

一般質問は、佐々木允議員をはじめ8名の議員が質問に立ちました。
 また、議会最終日には、民主県政クラブ県議団が中心となって提案した「性犯罪に関する警報規定の見直しを求める意見書」など5意見書が採択され、衆参議員議長、内閣総理大臣を始め、関係大臣に提出されることとなりました。
 
代表質問の内容は、
一、県政推進の基本姿勢について
1.新型コロナウイルスについて
2.新年度予算と県政運営方針について
3.豪雨災害からの復旧・復興と今後の対応
4.県有施設における災害時避難所のあり方について
5.新・県立美術館について
6.本県職員採用における就職氷河期世代の支援と県職員の再雇用
一、児童虐待への対応について
一、教育現場の変形労働時間制実施に対応した業務削減について
一、京都郡のインフラ問題について
 
代表質問の概要
冒頭、新型コロナウイルスに関し、亡くなられた方へのお悔やみと、感染者へのお見舞いを申し上げ、感染情報の的確な開示、検査体制と診療体制の充実を図る必要性について知事に質しました。また、朝倉市、東峰村をはじめとする被災地の早期復興とJR日田彦山線の鉄道での復旧等について強く訴えました。更に災害発生時に県有施設を障がい者や高齢者を含め広く被災者の避難所として受け入れる体制を整える重要性を指摘し、前向きな対応を求めました。
 
県職員採用試験の実施に当たり、就職氷河期世代を対象とした特別枠を設けることと県職員の再就職支援を求めるとともに、増加し続ける児童虐待から児童を守るため県の児童相談所と市町村との更なる連携体制を進めるべきであると指摘したところ、いずれについても知事から前向きに取り組む旨の答弁を得ました。また、福岡県を横断する国道201号線の早期四車線化に取り組む必要性を指摘したところ、国に働き掛けていくとの答弁を引き出しました。

その他、教職員の業務量を削減するため、正確な勤務時間の把握、自校採点の廃止、研修の見直しの必要性を指摘したところ、教育長から業務改善に取り組んでいくとの回答を得ました。
 
【代表質問の内容】
一.県政推進の基本姿勢について
1.新型コロナウイルスについて
① 新型コロナウイルス感染者の情報効果について
個人情報の保護は非常に大切だが、不特定多数の県民の不安解消のため、感染者の行動は詳しく公開すべきと考えるが、考えを問う。

② 感染に関する検査体制と最新の件数について
感染者と接触した人を含め、PCR検査を広く県内で、直ちに出来る事が必要だが、県の検査体制を問う。併せて最新の相談件数、PCR検査件数、陽性と判定された件数を問う。

③ 感染者の診療体制について
感染拡大を防ぐため、県内での病床確保状況、その病床数を上回る感染者が出た場合の対応、更に、自らの感染や学校休業で医療従事者が勤務できない場合の診療体制を問う。

④ 学校の臨時休業に当たっての検討過程について
学校の休業について、2月27日の国の表明後、県の対策本部でどの様な議論をし、何時に結論を出し、通知を何時に発出したのか、時系列で回答を求める。

⑤ 学校の臨時休業に当たっての対策本部での議論と判断について
学校の臨時休業について、対策本部では具体的にどの様な議論が行われ、どの様な事実・理由によって臨時休業を行う判断を決定したのか、対策本部長の知事に問う。
 
2.新年度予算と県政運営方針について
① 来年度の目玉となる予算について
地方分権一括法施行から20年目となる来年度の目玉施策は何か、その施策に取り組む理由も併せて問う。

② 防災・減災を強化するため来年度重点的に進める公共事業について
記録的な豪雨や台風による自然災害に対し、強い県土を整備し、県民生活の安全・安心と経済活動を支える一層の防災・減災対策を強化するための重点的に進める公共事業を問う。

③ 「地方自治の本旨」と「圏域単位での行政のスタンダード化」について
憲法上保証された地方自治の本旨である団体自治、及び住民自治をどう認識しているか。

また、これに反すると思われる「圏域単位での行政のスタンダード化」への見解を問う。

④ 都道府県と市町村の関係と「二層制の柔軟化」について
都道府県と市町村の関係はどうあるべきと考えているか。また、「都道府県・市町村の二層制の柔軟化」をどう理解し、認識しているかを問う。

⑤ 「自治体戦略2040」に対する見解や対処について
自治体のあり方に関する審議は、自治体の意見を慎重に拾い拙速に結論を出すべきではないと考えるが、「自治体戦略2040」に対し、どの様な見解を持ち、どう対処するつもりか問う。
 
3.豪雨災害からの復旧・復興と今後の対応について
① 赤谷川、乙石川などの復旧について
国の権限代行で進められている応急的な河道確保は完了し、本復旧に昨年11月着手したと聞く。一日でも早く本復旧が完了するように取り組むべきだが、見解を問う。

② 長期避難世帯認定の解除について
朝倉市は今年度末をめどに、県に対して長期避難世帯認定の解除を求める方針を決めている。長期避難世帯の解除に関する考えを問う。

③ JR日田彦山線沿線の振興策にかかる町村長との協議について
12月議会で復旧方針を質した際、沿線地域の実情に応じた振興策も添田町長、東峰村長と協議を行うと答弁されたが、いつどの様な話し合いが行ったのか、具体的に説明願う。

④ JR日田彦山線の復旧に対する考え方について
第5回日田彦山線復旧会議での知事の発言はBRTありきの発言と思われる。鉄道での復旧に対する見解を問う。また、関係自治体の意見を聞き、3月末までに結論を出すとされているが、いつ意見を聞き、いつ県民に結論を伝えるのか、それまでのプロセスも問う。
 
4.県有施設における災害時避難所のあり方について
① 県立学校における避難所指定の現状、及び被災者受け入れ訓練の実施状況について
県立高校、特別支援学校などの県立学校において、指定避難所に指定されている施設の現状、及びこれらの指定避難所における被災者受入れのための訓練や食料備蓄状況を問う。

② 県有施設の避難所指定について
避難所として活用可能な県有施設については、できる限り活用されるよう避難所指定権限を有する市町村に情報提供や連携の強化を図るべき。認識と今後の取り組みを問う。

③ 避難所におけるよう配慮者に対応できる受け入れ体制の構築について
今後の高齢化の進展や熊本地震の教訓を生かし、どの避難所でも障がい者や高齢者など要配慮者に対応できる受入体制を速やかに構築すべき。見解と今後の取り組みを問う。
 
5.新・県立美術館について
① 建設地の選定理由について
建設予定地は、選定委員会の報告書に選定理由が記載されているが、最初から福岡市内という結論があったのではないかとも思える。改めて大濠公園を選定した理由を問う。

② 福岡市美術館との連携について
今まで市の美術館とどの様な連携を取ってきたのか。また、新美術館設置後、連携が可能となる内容、発揮できる相乗効果な何か。また、この連携は市と事前協議しているのか問う。

③ 福岡武道館について
福岡武道館の建替え計画はどうなっているのか。いつ、どこに建替えを検討しているのか問う。

④ 現県立美術館について
 現美術館を現在地に残すと知事が発表した翌日、高島市長が、県立美術館は無くなるものとして須崎公園の再整備を進めている、旨発言した。現美術館は具体的にどの様な利用を想定しているのか、市と事前調整は出来ていたのか。出来ていないなら何故しなかったのか。
 
6.本県職員採用における就職氷河期世代の支援と県職員の再雇用について
① 就職氷河期世代を対象とした職員採用試験について
本県採用試験において、通常採用枠とは別枠で就職氷河期世代を対象とした特別枠を設けるつもりはあるのか問う。

② 公務員経験者を対象とした職員採用試験について
結婚や介護等で退職した職員は、キャリアを積んだ優秀な職員であっても改めて県職員の採用試験を受けることが出来ない。県職員の再雇用の機会を確保するために、民間企業での経験がある者の採用と同様の公務員経験者枠を設けるべきと考えるが、考えを問う。
 
一.児童虐待への対応について
1.児童相談所の児童福祉司の配置等について
現場の、1)児童福祉司の配置基準から管理職を除く、2)全児童相談所に警察官又はOBを配置、3)相談対応時間の確保のため事務職員を配置、という声にどう対応するのか問う。

2.市町村の児童虐待対応体制の整備について
市町村が虐待の状況をいち早く察知し、児童相談所に通告する体制、児童が家庭に戻った場合に見守りを行う体制の整備をどの様に進めていくのか問う。
 
一、教育現場の変形労働時間制実施に対応した業務削減について
1.教員の労働時間の実態把握について
県立学校でのICカードによる労働時間把握について、管理職の指示により記録上だけ労働時間を短くしているという現場の声がある。教育長はこれをどう認識しているか。また認識していればどうするのか問う。

2.学力検査の自校採点について
学力検査の自校採点は一体何のために行っているのか。又これを実施している都道府県は全国でいくつあるのか、教育長に問う。

3.自校採点の廃止について
自校採点は廃止すべきと考えるが、教育長の見解を問う。

4.新任教諭の離職率に対する見解について
新聞記事では、教師にとって研修が大きな負担となって、福岡県は九州でも離職率が最も高いことが明らかになった。教育長はその理由をどの様に考えているのか問う。

5.研修会や研究会の精査について
今後、校内研修や強化等研究会等を精査する必要があると考えるが、教育長の見解は。

○ 小学校英語専科教員の採用について
小学校においてまずは英語の授業を行う専科教員の採用が必要である。当面は、学校を巡回して指導するという方法も考えられるが、県教育委員会の方針を問う。
 
一、京都郡のインフラ問題について
○ 新仲哀トンネルから東九州自動車道行橋インターチェンジまでの四車線化について
新仲哀トンネルから二車線となるため、みやこ町に入ると渋滞となり、また勝山新町交差点も恒常的に渋滞している。新仲哀トンネルから行橋インターまでの四車線化が急務と考えるが、必要性に対する認識と、今まで、及び今後の取り組みを問う。

○ 新松山臨海工業団地の新たな造成地への企業誘致について
県が造成事業を行っているこの地域は、周防灘における産業集積の中心的役割を果たしており、既にほぼ全部売却済み。現在の造成地への企業誘致について基本的な考え方は。

○ 新たな造成地に誘致する企業への工業用水の供給方針について
新松山工業団地には企業局が企業誘致に不可欠な工業用水を供給しているが、豪業用水の不足を危惧する。新たな造成地に誘致する企業への工業用水の供給方針を問う。

○ 北九州空港の利便性向上と災害対策のためのアクセス確保について
異常気象や大型台風等で大規模災害が各地に発生しており、空港利用者の利便性向上に加え、災害対応のためにもアクセスの複数化が不可欠。二つ目のアクセス確保は。

6.2020(令和2)年『4月臨時議会』報告

2020年(令和2年)『4月臨時会』は、4月30日・5月1日の2日間の開催でした。
 
今議会の開催は、「新型コロナウイルス感染症」拡大に伴う本県のコロナ対策についてを主な議題とし、合わせて4月補正予算を審議する議会となりました。
 
今議会に提出された議案は、以下の5件です。
1.予算議案1件:補正予算706億5,500万円
第88号議案 令和2年度福岡県一般会計補正予算(第1号)
4/17に先行して発表した対策を含め、国が決定した「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」を最大限活用し、本県における「感染拡大防止と医療提供体制の強化」、「事業継続の支援」、「地域経済の回復と社会構造の変革」に必要な経費。

2.条例議案:3件
第89号議案 福岡県特別職の職員の給与の特例に関する条例の制定について

第90号議案 特定大規模災害等に対処するための特殊勤務手当の特例に関する条例の一部を改正する条例の制定について

第91号議案 福岡県工業技術センター等使用料及び手数料条例の一部を改正する条例の制定について

(1)「福岡県工業技術センター等使用料及び手数料条例の一部を改正する条例」
(2)「特定大規模災害等に対処するための特殊勤務手当の特例に関する条例の一部を改正する条例」
(3)「福岡県特別職の職員の給与の特例に関する条例」
 
3.先決処分1件
第92号議案 専決処分について(福岡県税条例等の一部を改正する条例の制定について)

各議案については、それぞれ所管の常任委員会で審議し、可決しました。
その後、本会議が開かれ、常任委員長報告の後、一括議案採決となり、起立多数で全議案を可決し、補正予算706億5,500万円は成立しました。