2020年「4月臨時会」~2021年「4月臨時会」

1.2020(令和2)年『4月臨時会』報告

『4月臨時会』は、4月30日に招集され、5月1日まで2日間の会期で審議が行われました。

臨時会には、国が決定した「新型コロナウイルス感染緊急経済対策」を最大限活用し、本県における「感染拡大防止と医療提供体制の強化」、「事業継続の支援」及び「地域経済の回復と社会構造の変革」のための令和2年度補正予算議案1件、「特定大規模災害等に対処するための特殊勤務手当の特例に関する条例の一部を改正する条例の制定について」など条例議案3件、専決処分1件、計5件が提出されました。

審議の結果、提出された議案5件については、いずれも原案のとおり可決または承認されました。

2.2020(令和2)年『6月定例会』報告

2020年(令和2年)『6月定例会』は、6月5日から24日までの20日間の会期で開催されました。

定例会閉会日、議場において一連の採決が終了した後、議長辞職の件及び副議長辞職の件が日程に追加されました。採決の結果、栗原渉議長及び原中誠志副議長の辞職が許可され正副議長の選挙が行われました。

新しい議長には吉松源昭議員(自民党県議団)、副議長には江藤秀之議員(自民党県議団)が選出されました。
 
今議会、執行部から上程された議案は、2020年度の補正予算議案1件、福岡県税条例の一部を改正する条例、福岡県日田彦山線沿線地域振興基金条例など条例議案5件、契約議案他8件、計14件が上程され、又、6月12日には補正予算の追加議案1件が提案されました。

更に、議員提案の「福岡県飲酒運転撲滅運動の推進に関する条例の一部改正条例」が提案されました。
 
代表質問、一般質問、各常任委員会を経て、最終日の6月24日の本会議で採決が行われ、執行部提案議案、議員提案条例ともに可決されました。

なお、四会派で提案した「人獣共通感染症への対応力の強化に関する決議案」が追加提案され、採決の結果原案のとおり可決されました。
 
民主県政クラブ県議団の代表質問の登壇者は、大田京子議員(福岡市南区選出)で、まず、新型コロナウイルス感染症に関し、個人や事業者への経済的支援、感染症対策と保健医療体制、更に休校後の学校のあり方について、また、災害対策に関し、日田彦山線問題、朝倉市の被災者支援、及び被災地への県職員派遣について知事、教育長に質問しました。
 
一般質問は、守谷正人議員(福岡市城南区選出)をはじめ8名の議員が質問に立ちました。
 
(1)代表質問の内容
 一、新型コロナウイルス感染症対策について
  1.知事の基本姿勢について
  2.感染症対策と保健医療体制について
  3.休校後の学校のあり方について
 一、自然災害への対応について
  1.豪雨災害被災地の振興策について
  2.非常時の県職員の派遣等について
 
(2)代表質問の概要
新型コロナウイルス感染症対策に関して知事のリーダーとしての姿勢を求めると共に、市町村・国との連携、本県の景気状況等を問い、事業者・個人への経済的支援の考えを質しました。知事からは、自らが先頭に立ち長い戦いに打ち勝つ旨と、我々会派がまとめた103項目の提言に対して9割以上に対応しているなどの回答を得ました。感染症の第二波を想定し強化すべきPCR等の検査体制、医療供給体制の対応を問い、検査能力の増強を図ること、医療機関との連携体制の下、円滑かつ迅速な医療を提供する旨の回答を得ました。

再開した学校に関し、第二波への備えと子ども達の学力保障の観点から質問し、教育長からはオンライン学習ができる環境の整備、学習活動の重点化、学校行事の見直しや少人数学級への取組みを進めることに加え、高校入試については例年と同じ時期に実施予定との答弁を得ました。

日田彦山線の復旧、沿線地域の振興については、知事から鉄道復旧ができず申訳ない旨の発言とBRT延伸案に至った経緯が示され、沿線地域の皆様と共に地域振興に取り組むとの発言がありました。また、朝倉市の被災地振興策として園芸農業の振興、原鶴温泉を活用した観光振興を図ること、被災者支援は続けるとの回答を得ました。

(3)一般質問
 ・守谷正人議員(福岡市城南区選出)
  「新型コロナウイルス感染症における本県の支援策について」
 ・冨永芳行議員(糟屋郡選出)
  「本県における今後の交通ネットワークの維持について」
 ・中嶋玲子議員(朝倉市・朝倉郡選出)
  「新型コロナウイルス自粛解除後の本県観光振興について」
 ・佐々木允議員(田川市選出)
  「麻しん・風しんの排除について」
  「微視の健康促進に向けた更なる取組みについて」
 ・後藤香織議員(福岡市早良区選出)
  「非正規雇用労働者、フリーランスに対する支援について」
  「未成年の予期せぬ・望まない妊娠の防止について」
 ・渡辺美穂議員(太宰府市選出)
  「コロナ禍を踏まえた障がい者及び就労継続支援施設等への対応と工賃について」
 ・山本耕一議員(北九州市若松区選出)
  「本県における気候変動への対処及び雨水利用について」
 ・川﨑俊丸議員(糸島市選出)
  「本県感染症対策における保健所機能の再構築について」

 3.2020(令和2)年『9月定例会』報告

2020年(令和2年)9月議会定例会は、9月10日から10月14日までの35日間の会期で開催されました。
なお、会期中、10月1日から12日までの間、「決算特別委員会」が開かれました。
 
開会日に執行部から上程された議案は、2020年度の補正予算議案2件、知事等の損害賠償責任の一部免責に関する条例の一部を改正する条例、福岡県希少野生動植物種の保護に関する条例の制定など条例議案9件、専決処分、契約議案他13件、計24件が上程され、又、9月17日に補正予算の追加議案1件、決算関係議案20件が提案されました。更に新型コロナウイルス対策に関する追加の補正予算議案1件が上程されました。

代表質問、一般質問、各常任委員会を経て、9月30日の本会議で決算関係議案、及び10月14日上程の追加補正予算議案を除く25件の議案の採決が行われ、いずれの議案も可決されました。その後、決算特別委員会で決算関係議案の審査が行われ、議会最終日に決算議案20件、10月14日追加の補正予算議案1件の採決が行われ全て可決されました。
 
民主県政クラブ県議団の代表質問の登壇者は、大橋克己議員(大牟田市選出)で、まず、「令和2年7月豪雨」への対応について、被災地支援、大牟田市災害への対応、次いで、新型コロナウイルス感染症対策について、県の基本姿勢、財政運営、教育行政について、知事並びに教育長に質問しました。
 
一般質問は、佐々木允議員(田川市選出)をはじめ8名の議員が質問に立ちました。
 
(1)代表質問の内容
 一、「令和2年7月豪雨」への対応について
  1.被災地の支援について
  2.大牟田市の事例について
 一、新型コロナウイルス感染症対策について
  1.コロナ禍に対する県の基本姿勢について
  2.コロナ禍における財政運営について
  3.コロナ禍を踏まえた教育行政について
 
(2)代表質問の概要
本県に大きな被害を引き起こした「令和2年7月豪雨」に関して、被災者・被災地に対する支援、更には内水氾濫で大きな被害が生じた大牟田市への対応について、従来の取組みを越えた対応が必要であることを指摘しました。知事からは国が主導する「流域治水協議会」へ参画し流域全体で総合的な治水対策に取り組むこと、商工業者、農業者に対する新たな支援を行うこと、更には災害の検証を行い地域防災計画の見直しに生かしていく旨の回答を得ました。

新型コロナウイルス感染症対策については、感染者等に対する偏見や差別をなくす必要性を主張し、PCR検査等の体制強化、保健所機能の強化等、自宅療養者数の削減を主張するとともに、経済対策の充実、失職した人の再就職支援を質しました。知事からは感染防止に必要な体制を図るとともに、自宅療養者数の削減に取り組むこと、県内の経済状況に応じて経済対策に取り組み、失職者の再就職支援などを行っていく旨の発言がありました。

教育関係では、教育現場の大規模感染の判断は国の緊急事態宣言や県の休業要請に依ること、オンライン学習は学校での対面教育を補うものであること、高校入試については10月下旬をめどに方針を判断する旨を教育長が発言しました。
 
(3)一般質問
 ・佐々木允議員(田川市選出)
   一、人種または民族を理由とする不当な差別等の解消について
   一、待機児童の解消について
 ・守谷正人議員(福岡市城南区選出)
   一、本県の河川整備と安全対策について
 ・新井富美子議員(久留米市選出)
   一、部落差別解消に向けた本県の取組について
 ・後藤香織議員(福岡市早良区選出)
   一、特定妊婦に対する支援について
   一、県立三大学における教育環境の整備について
 ・中嶋玲子議員(朝倉市・朝倉郡選出)
   一、九州北部豪雨災害からの復興・復旧について
 ・渡辺美穂議員(太宰府市選出)
   一、新型コロナウイルス感染症に係る課題について
 ・大田京子議員(福岡市南区選出)
   一、加配保育士の確保及びコロナ禍における保育所運営について
 ・山本耕一議員(北九州市若松区選出)
   一、本県の食料自給率向上について

4.2020(令和2)年『12月定例会』報告

12月定例会は、12月1日に招集され、12月18日まで18日間の会期で審議が行われました。

開会日には、皇嗣(こうし)殿下の立皇嗣(りっこうし)の礼をお祝いするため、県議会として天皇陛下ならびに皇嗣殿下に賀詞(がし)を奉呈(ほうてい)することが議決されました。

今定例会には、新型コロナウイルス感染症対策、令和2年7月豪雨災害復旧・復興対策、地域医療の充実等に取り組むとともに、本県で初めて発生した高病原性鳥インフルエンザについて緊急対策を講じるためなどの令和2年度補正予算議案2件に加え、「福岡県緊急経済対策資金信用保証料補填臨時基金条例の制定について」など条例議案7件、専決処分したものについて報告し承認を求める議案1件、工事請負契約の締結に関する議案9件、その他の議案5件の計24件の議案と諮問1件が知事より提出されました。

さらに、国の予備費を活用し、臨時特別給付金を年内に再支給するための令和2年度補正予算議案1件が追加提出されました。

また、議員提出議案として、「福岡県ワンヘルス推進基本条例の制定について」1件を提出しました。

審議に当たっては、新型コロナウイルス感染症対策、保健医療問題、環境問題、商工問題、農政問題、教育問題など県政全般にわたり活発な論議が交わされました。

審議の結果、議員提出議案を含む議案26件については、いずれも原案のとおり可決または承認され、諮問1件については、請求を棄却する旨の答申が決定されました。

5.2021(令和3)年『1月臨時会』報告

1月13日、福岡県が新型インフルエンザ等特別措置法に基づく緊急事態宣言の対象区域に追加されたことを受け、1月15日に臨時会が招集されました。
 
臨時会では、新型コロナウイルス感染症の拡大に歯止めをかけるため、営業時間短縮の要請に協力いただいた事業者に対しては、協力金を給付することとする令和2年度補正予算議案1件が提出されました。補正予算の額は、一般会計で669億1300万円余となり、よって、一般会計の総額は、2兆2866億8000万円余となります。
 
審議の結果、提出された議案については、原案のとおり可決されました。

6.2021(令和3)年『2月定例会』報告

2021年(令和3年)2月議会定例会は、2月22日から3月24日までの31日間の会期で開催されました。なお、定例会開会日の2月22日に、病気療養中の小川知事が辞任する旨を表明され、そのため、本定例会は服部副知事を知事職務代理者として行われました。
 
2月22日の開会日、2020年12月30日に逝去された、故 田中久也議員(福岡市西区選出)に対して弔詞贈呈の報告が行われた後、仁戸田元氣議員(福岡市西区選出)による追悼演説が行われました。
 
提出された議案のうち速やかに議決を要する令和2年度福岡県一般会計補正予算(第12号)議案および「福岡県ホストタウン等新型コロナウイルス感染症対策基金条例の制定について」の条例議案について採決が行われ、原案のとおり可決されました。
また、3月12日から22日の間、「予算特別委員会」が開会されました。
 
開会日に上程された議案は、新年度予算議案20件、2020年度補正予算議案1件、福岡県ホストタウン等新型コロナウイルス感染症対策基金条例の制定条例、福岡県道路構造の基準に関する条例の一部を改正する条例、福岡県立学校職員定数条例及び福岡県市町村立学校職員定数条例の一部を改正する条例などの条例議案13件、その他専決処分議案、契約議案、経費負担議案等26議案、合計50議案が上程されました。
 
3月5日には、2020年度予算補正議案10件、経費負担議案9件が追加提案されました。
開会日及び3月5日に新型コロナウイルス感染症関連の予算議案2件、条例議案1件が議決され、3月11日には2020年度補正予算議案等18件が議決されました。3月12日から3月22日まで予算特別委員会が開催されました。
 
定例会最終日3月24日に、更に本年度の補正予算議案1件が上程され、会期を通じて総計70議案が提案されました。いずれの議案も会期を通じて可決されました。
 
民主県政クラブ県議団の代表質問の登壇者は原竹岩海議員(筑紫野市選出)でした。新年度の県政運営方針、コロナ対策関連事項など喫緊の行政課題について、知事職務代理者服部副知事並びに教育長に対し質問を行いました。
 
(1)代表質問の内容
 1 県政推進の基本姿勢について
 ①県政運営方針と新年度予算について
 ②新型コロナウイルス感染症について
 ③男女共同参画社会の実現に向けた本県の取組みにつて
 2 DV・児童虐待防止対策について
 3 過疎法改正を踏まえた本県の過疎対策について
 4 本県の種苗、農業財産の保護と営農者の支援について
 5 コロナ禍を踏まえ、フリースクールに対する支援と今後の対応について
 6 筑紫野市にある安定型産業廃棄物処分場について
 
(2)代表質問の概要
2月22日に辞意を表明された小川知事の10年間の総括、来年度の基本方針を含めた、新年度予算等について質しました。知事職務代理者の服部副知事からは、総括として中小企業の振興、子どもの貧困対策、飲酒運転撲滅などの取組み、コロナ対策として14ヶ月予算で620億円を計上し、ワクチン接種、保健所体制、雇用対策等について強化する旨の答弁を得ました。また、小川知事の思いが反映された予算の執行にあたっては、服部副知事が責任をもって行っていくとの決意を述べられました。
 
女性の活躍先進県については、男女ともに暮らしやすい社会の実現のために働き方改革の推進を進めること、教育関係では、責任の所在が明確でないフリースクールについて教育委員会が主体となって知事部局と連携して支援するとの回答を得ました。また、DV・児童虐待への対策、過疎地域の振興、農業財産である種苗の保護について、いずれも前向きな答弁を得ました。
 
筑紫野市の産業廃棄物処分場については、モニタリング、受託廃棄物の除去を継続していく旨の答弁を得たものの、許可地域以外の許容量を越えた廃棄物の除去については明確な答弁が得られなかったため、引き続き県に強く求めて参ります。
 
(3)一般質問(登壇者6名)
  ・佐々木允議員(田川市)
    一、本県地域公共交通活性化及び日田彦山線・平成筑豊鉄道の利用促進について
  ・山本耕一議員(北九州市若松区)
    一.聴覚に障害がある方への配慮について
    一.手話言語条例について
  ・冨永芳行議員(糟屋郡)
    一、コロナ禍における義務教育のICT化とプログラミング教育の実施について
  ・中嶋玲子議員(朝倉市郡)
    一、養護老人ホームの閉所問題と存続について
  ・後藤香織議員(福岡市早良区)
    一、福岡県警察における女性警察官の登用を含む人的組織基盤の強化について
  ・渡辺美穂議員(太宰府市)
    一、防災重点農業用ため池などの防災対策の強化について

7.2021(令和3)年『4月臨時会』報告

『4月臨時会』は、4月27日に召集され、1日間の会期で審査が行われました。
臨時会には、新型コロナウイルス感染症拡大を防止するため、営業時間短縮の要請に応じた福岡市及び久留米市内すべての飲食店、喫茶店及び食品衛生法における飲食店営業の許可を得ているバーやカラオケボックス等の遊興施設に対し、売上高等に応じ協力金を給付するための令和3年度補正予算議案1件、人事議案2件、専決処分1件が提出されました。
 
審議の結果、提出された議案4件については、いずれも原案のとおり可決、承認または同意されました。